医療従事者向けに情報提供しているサイトとしてm3.comがあります。エムスリー株式会社が運営している医療サイトであり、現場で働く薬剤師であるなら情報収集のために非常に多くの人が登録しています。

このエムスリーが運営する薬剤師専門の転職サイトとして薬キャリがあります。転職サイトにはリクナビ薬剤師やマイナビ薬剤師、ファルマスタッフなど大手転職エージェントがいくつもあり、その中でもトップクラスの求人数を誇るのが薬キャリです。

非常に大きな転職エージェントであることから、高年収案件を含めて求人の数でいえば薬キャリが優れています。

ただ、大手の転職エージェントであることからメリットだけでなく、デメリットもあります。口コミ・評判に優れている薬キャリですが、注意点もあるのです。ここでは、薬剤師が転職活動をするときに薬キャリをどのように活用すればいいのかを解説していきます。

求人登録後の求人数に優れた薬キャリエージェント

薬剤師が薬キャリを利用する最大のメリットとしては、あらゆる転職サイトの中でも求人数が非常に多いことが挙げられます。

実際に転職するときは、当然ながら手元にどれだけ優れた求人があるかによって、満足できる転職が可能かどうかが分かれます。また、特殊な案件になるほど合致する求人数は少なくなります。例えば、以下のような求人です。

  • 東京や大阪で年収600万円以上を実現したい
  • 時短勤務を子供が小学校高学年になるまで認めてほしい
  • 正社員で土日休みがいい
  • 一般企業勤務の求人へ就職したい

しかし、薬キャリエージェント(エムスリー)では絶対的な求人数が多いため、こうした難しい案件であっても問題なく紹介してくれるという特徴があります。

例えば、以下は薬キャリエージェントに掲載されていた、東京での年収600万円以上の案件です。

高年収になるため、当然ながら「管理薬剤師での募集」「新規オープンの店舗」など、それなりに理由はあります。ただ、こうした理由に納得できるのであれば、問題なく転職によって好条件を引き出せるようになります。

担当者からの公開求人(非公開求人)の紹介スピードも早い

また、求人登録後の紹介スピードという意味でも薬キャリは優れています。

転職エージェントに登録した後は担当者が付きます。最初はこうした担当者から電話がかかってくるようになります。どのような勤務条件を希望しているのか詳細が分からないので当然ながら、このままの状態では求人を提示できないからです。

例えば、「在宅や漢方を含め、積極的に勉強したい薬剤師」と「扶養内の範囲でゆるく勤務したいパート希望の薬剤師」であれば、提示するべき求人内容が大幅に違ってきます。そのため、最初は電話などでのヒアリングが必要になるのです。

ただ、こうしたヒアリングを実施した後の求人の紹介スピードは速いです。公開求人や非公開求人を含め、素早く提示してくれます。元々の求人数が多いため、多くの選択肢の中から選ぶことができるのです。

また、薬キャリでは専用の転職サイト(薬キャリエージェント)を運営しています。そのため、このサイトで自ら求人を検索しても問題ありません。

求人を自ら発掘した後、担当コンサルタントに問い合わせをしてみることも可能です。そうすれば、薬局や病院の詳細を教えてくれます。自ら検索することでも、選べる求人は非常に多くなります。

エムスリー(薬キャリ)の電話やメールは強引でしつこい?

なお、たまに薬キャリの評判・口コミで「薬キャリの電話が強引でしついこいのでは」というものを見かけます。これについては、どう評価したらいいのでしょうか。

薬キャリへの登録では電話番号が必須のため、登録後は必ずしつこい電話があります。これは、ある意味当然です。実際に電話で話をしなければ、どのような求人募集を薬剤師に提示すればいいのか分からないからです。そのため、最初の電話をしつこいと感じる人もいます。

しかし、電話が苦手でメールのみを希望するにしても、メールで長々と希望条件を伝えるのは現実的ではありません。そのため、多少は強引と思われても最初は電話がしつこくかかってくるようになるのです。

また、薬キャリでは薬剤師の要望をヒアリングした後、多くの求人を提示するスタイルとなっています。そのため、どうしてもメールの数は多くなります。これについても、しつこいと感じる人がいます。

これは、それだけ多くの求人を保有していることにもつながります。なお、そうした求人の中から興味のある募集案件を自ら選ぶようになります。

例えば私の場合、以前に薬キャリを活用して派遣薬剤師をしたことがあります。このとき、求人登録後の電話確認をした後はその日のうちに担当者から求人票が送られてきました。実際のメールが以下になります。

もちろん、上のメールでは非公開求人の状態(企業名や店舗が不明な状態)であるため、実際の勤務場所や科目などが分かりません。そこで、「○○の求人票の詳細を教えてほしい」などのように伝えれば、問題なく中身を教えてくれるようになります。

例えば私の場合、先ほどのメールについては以下のような文面のメールを送りました。

こうして担当コンサルタントと密にやり取りを交わしていくのが基本です。転職活動では自分が働く先を決める重大なイベントです。こうした連絡をしつこいと思うのではなく、電話やメールを含めたくさん連絡しあった方がいいです。

面談や面接同行がなく、支店数が少ないのはデメリット

なお、転職サイトによって経営方針は大きく異なりますが、薬キャリの場合は基本的に電話やメールだけの対応になります。事前の面談があったり、調剤薬局やドラッグストア、病院、企業などで面接を受けるときに同行してくれたりすることはありません。

たとえ面接を受けるときであっても、あなた一人で出向く必要があります。これは、正社員やパート・アルバイト、派遣とすべて同じです。こうした事前の面談や面接同行がないため、他の転職サイトのように支店が全国にあるわけではありません。東京と大阪にオフィスがあるだけとなります。

こうしたことは一つのデメリットだといえます。面接同行を含めた丁寧な対応を求めている人の場合は物足りなく感じてしまいます。

特に面接後は、必ず実際に働く現場で職場見学を実施しなければいけません。一緒に働く人の様子や調剤設備を含めて、実際に店舗見学をするからこそ分かることが非常に多いからです。病院なら「面接場所=職場」ですが、薬局では本社で面接することになるため、その後に自ら現場の店舗へ出向く必要があるのです。

転職で失敗する原因の一つが「職場見学をしていなかった」ことです。薬キャリでは面接同行がないので、担当者が実際に働く場所まで案内してくれるわけではありません。

自分で出向く必要はありますが、事前に店舗見学したいことをコンサルタントに伝えてセッティングしてもらうようにしましょう。

無料で利用できる薬キャリの使い方や特徴

なお、実際に転職サイトへ登録した後にどのような流れになるのか把握しておくとスムーズです。薬キャリ自体は無料で利用できますが、転職はあなたの人生に大きくかかわることになるため、正しい使い方を理解したうえで慎重に就職先を決めなければいけません。

1. 登録後に求人票を紹介してもらう

このとき、登録したら自動で担当者が付くことになります。担当コンサルタントからは電話がかかってくるため、これには必ず出るようにしましょう。メールだけでは何も伝えることができないため、少なくとも最初は電話での会話が必要になります。

そうした後、実際に求人を提示されるようになります。どのように求人票が送られてくるのかについては先ほど示した通りです。

提示された中途採用の求人募集の中で気になった案件があれば、詳細を聞くようにしましょう。このときのポイントは「求人票に載ってない情報も含めて教えてもらう」ことです。例えば、以下のような内容です。

  • 福利厚生はどうなっているのか
  • ヘルプ体制はどうか
  • 昇給制度の規定はどうか

求人票の内容だけで転職すると失敗します。そのため、希望条件を明確に整理したうえで求人の内容をさらに詳しく洗い出すようにしましょう。転職サイトの利用は無料でも遠慮する必要はなく、担当者をできるだけ使うといいです。

・履歴書の指導は可能

なお、転職エージェントなので履歴書の指導・添削まで含めて実施してもらえます。調剤薬局やドラッグストアであれば特に気にすることはありませんが、総合病院や一般企業への転職を考えている場合、不採用の可能性もあるので履歴書はそれなりに内容を練らなければいけません。

そこで、薬キャリの担当者に履歴書の指導をしてもらいましょう。

薬キャリは面談や面接同行をしないため、面接対策は無理です。ただ、履歴書の指導であれば問題なく受け入れてくれます。履歴書であれば、メールでやり取りすることが可能だからです。

2. 実際に面接後、内定が出たら勤務する

なお、一人の薬剤師が薬局や病院の求人を探すとき、3つ以上の会社の面接を受けるのが基本です。一つの企業を狙い撃ちする人はほとんどいません。いくつもの面接を受け、職場見学をしたり勤務条件を検討したりしたあと、ようやく入社する会社を決めます。

面接後の内定辞退については、薬キャリのコンサルタントが求人先に電話してくれます。あなたが電話するわけではないため、気軽に何社もの面接を受ければ問題ありません。

こうして、いろんな求人を選んでいくことで優れた募集を見つける作業が必要になります。

・退会や登録解除は連絡一本で問題ない

なお、基本的には3社以上の転職エージェントを活用するのが一般的ですが、このときは「他の転職サイトで就職先を決めた」「転職自体をやめた」などの理由によって薬キャリを退会したいと考えることがあります。

薬キャリには会員サイトが存在するわけではないものの、担当コンサルタントに登録解除を伝えればその後の電話やメールはこなくなります。そのため、退会についてもスムーズです。

担当コンサルタントの評価や満足度は運次第

なお、薬キャリが大手の転職サイトであることはメリットが大きいように思いますが、同時にデメリットもあります。特に担当者については、その評価や満足度は完全に運となります。

薬キャリには非常に多くのキャリアコンサルタントが在籍しています。その中には敏腕コンサルタントがいれば、入社1週間ほどの新人もいます。規模の大きな転職サイトになるほどキャリアコンサルタントの腕にバラツキを生じやすいため、薬キャリでは「優秀な担当者が付くかどうか不明」というデメリットがあります。

薬剤師で転職が活発なのと同じように、こうした人材紹介会社のコンサルタントも人の入れ替わりが激しいことで知られています。そのため、調剤報酬や管理薬剤師などの言葉すら分からない人が担当者として付くこともあるのです。

当然、新人コンサルタントでは優れた求人を紹介してもらえる確率が低くなります。そうしたとき、薬キャリの評価はどうしても低くなってしまいますが、質の良いコンサルタントになるかどうかは完全なる運だと考えるようにしましょう。

キャリアコンサルタントの質がバラバラなのは、大手の転職エージェントを利用するときの宿命だといえます。

パート・アルバイトでも、薬局から病院まで求人多数

なお、求人数がトップクラスということは、当然ながらパート・アルバイトとして活躍することを考えるときも同様に多くの求人の中から選べることを意味しています。

パート・アルバイトで働くことを考えとき、希望する勤務条件は人によってさまざまです。例えば、以下のような希望があります。

  • 育児に理解のある薬局がいい
  • ダブルワークの副業をしたい
  • 産休・育休の取りやすい職場がいい
  • 午前だけのパートを希望する

そのため、正社員で転職するときと同じように希望条件を明確にして伝えるといいです。

なお、求人数自体は非常に多い転職サイトであるため、パート・アルバイトでも素早く求人票を提示してくれることに変わりありません。電話でのヒアリングの後、最適な求人を提示してくれます。当然、このときは病院や一般企業まで含めて細かく要望を伝えるほど、ぴったりの求人を紹介してくれます。

このときは薬局に限らず、総合病院でもパート求人が出されます。例えば、以下は大阪にあるケアミックス病院から出されたパート求人です。

269床なので、ケアミックス病院の中では規模は大きいです。地域を支える二次救急の病院薬剤師として、時給2,000円以上で活躍することができるのです。

派遣社員でも評判が高く、高年収から単発まで薬キャリで登録可能

また、薬キャリの特徴でもありますが派遣薬剤師も可能です。大手の転職サイトでも、派遣社員の求人を取り扱っていないことは多いです。ただ、薬キャリ(エムスリー)では派遣でも問題なく勤務できるのです。

派遣社員で働くときについても求人数は多く、高年収から単発スポットまで含めてたくさんの中から選べるので評判は高いです。例えば、以下は東京(渋谷)にある薬局から出された派遣求人です。

このように、東京のど真ん中にある薬局にも関わらず時給5,000円ほどの派遣募集です。時給5,000円は年収1,000万円に相当しますが、薬キャリであればこうしたことも可能なのです。

参考までに、私は薬キャリ経由で大学病院の派遣求人(時給3,000円)で勤務したことがあります。産休代替の派遣求人でしたが、大学病院を含め高い年収を実現しながらいろんな職場を経験できるのが薬キャリの派遣薬剤師です。

派遣社員として薬剤師を考えている場合、必ず登録しなければいけない転職エージェントの一つが薬キャリになります。

派遣での福利厚生や産休・育休、社会保険を理解する

なお、実際に派遣薬剤師をするときに気になるものとして、福利厚生や産休・育休、社会保険などがあります。これらについては、事前に制度を知っておくようにしましょう。

・福利厚生は必要最低限

正社員やパート・アルバイトの場合、企業(薬局や病院など)に属することになります。そのため、福利厚生を受けることができます。私も薬剤師として活躍しながら、「住宅手当を受け取る」「薬代が無料になる」などの福利厚生を受けながら仕事をしていました。

しかし、派遣だとこうした福利厚生がなくなります。派遣会社(転職サイト)に属することになり、薬局や病院に直接雇用されるわけではないからです。そのため、福利厚生は必要最低限になると考えましょう。

ただ、これは派遣先の薬局次第です。薬局によっては、派遣薬剤師に対しても住宅を用意してくれたり、通勤手当を出してくれたりすることがあります。こうした福利厚生をどれだけ引き出せるのかについては、担当コンサルタントの営業力に大きく左右されます。

・産休や育休は取りたい放題

なお、法律では産休・育休の取得期間が決められていますが、派遣の場合は取りたい放題になります。派遣の仕事を入れなければ、いくらでも休めるからです。

そのため子供を望む女性薬剤師の場合、敢えて派遣勤務を選択する人も多いです。高時給を実現しながら、そのときに応じて自由に仕事内容や勤務時間を変更でき、さらには育休後の復帰は好きなタイミングで可能です。

・社会保険は加入できる

なお、正社員やパート・アルバイトに限らず派遣社員であっても社会保険に加入することは可能です。年収130万円以上であると、誰でも社会保険に入れるのです。

派遣だと時給3,000円が普通です。この場合、1日8時間労働を週2回するだけでも年収230万円以上なので、誰でも社会保険の加入対象になると考えましょう。

薬キャリを利用し、たくさんの募集から求人を選ぶ

リクナビ薬剤師やマイナビ薬剤師、ファルマスタッフなどの大手転職エージェントの中でも、トップクラスの求人数を誇る転職サイトが薬キャリです。求人がたくさんあることから、高年収を含め特殊案件でも問題なく対応できるというメリットがあります。

薬局であれば、日本調剤やウエルシア、アインなどの大手チェーン薬局に限らず、中小薬局の求人もたくさんあります。当然、病院や一般企業でも対応できます。さらには、正社員やパート・アルバイト、派遣という勤務方法からも選択できます。

あらゆる働き方に対応した求人を保有しているため、最初に登録を考えるべき転職エージェントが薬キャリです。

ただ、事前面談や面接同行などはなく、電話やメールだけでの対応になることは事前に理解しておきましょう。さらには、大手なので担当者の質はバラバラであり、満足度の高いコンサルタントが付くかどうかは運次第です。

薬キャリにはメリットがあればデメリットもあります。ただ、求人数の多さから転職サイトを利用するときは、活用メリットの大きい転職エージェントといえます。まずは評判・口コミに優れた薬キャリを利用してみて、どのような求人があるのか確認してみましょう。