日本は島国であるため、多くの離島があります。無人島でない限り当然、離島んには人が住んでおり、そうした離島にも病院や調剤薬局は存在します。
離島であると、必然的に田舎の僻地医療になります。大自然に囲まれた中で患者さんの医療を支えることになるのです。
薬剤師の中には、離島での勤務を考える人もいます。そうした薬剤師の場合、どのようにして求人募集を探せばいいのでしょうか。さらには、どのような勤務条件になるのか理解しておく必要があります。離島薬剤師ならではの苦労もあるため、そうしたことも知っておくと便利です。
そこで、離島の薬剤師へ転職(または新卒による就職)をするとき、何を考えて準備すればいいのかについて解説していきます。
もくじ
患者さんとの距離が近い離島薬剤師
一般的な調剤薬局やドラッグストアであると、なかなか患者さんとの距離は縮まりません。やはり、どうしても次から次へと処方せんが来るため、それをできるだけ素早くさばくことに集中するのが業務の基本になります。
忙しい薬局であると、待合室に多くの患者さんが並び、さばけていない処方せんがズラッと並ぶようになるのです。
薬剤師は患者さんのために医療を提供するのが業務です。ただ、現状ではできるだけ時間をかけずに患者さんに服薬指導し、次々とこなしていくのが実態です。在宅医療の場合とは異なり、どうしてもこのような現状になってしまうのです。
一方で離島薬剤師であれば、人口は少ないです。大きな島でも人口は8万人以下になり、場合によっては人口1万人以下になるケースもあります。例えば、以下は離島ごとの人口です。
- 奄美大島(鹿児島県):約6.5万人
- 石垣島(沖縄県):約4.7万人
- 屋久島(鹿児島県):約1.3万人
- 小笠原諸島(東京):約3,000人
こうした離島の薬剤師になると、医療従事者の数は非常に少なくなります。その結果、島民との距離は非常に近くなります。
もちろん、日々の業務については一般的な薬剤師と同じです。特別変わったことを担当するわけではありません。
ただ、田舎なので行動範囲が非常に狭いです。スーパーへ行くにしても、同じスーパーを利用することが多いため、患者さんと顔を合わせる確率は高くなります。歩いているとプライベートでもバッタリ会うことが多くなるため、結果として薬局へ患者さんが来たときに野菜をもらうようになるなど、距離が近くなるのです。
薬局の求人募集は出されるのか
それでは、実際のところ調剤薬局やドラッグストア(調剤併設ドラッグストア)の求人が離島で出ることはあるのでしょうか。
これについては、問題なく出されています。離島ではコンビニがなかったとしても、調剤薬局が存在することは多いです。小さい島であったとしても、全員が医療を必要とするためです。基本的には、あらゆる離島で薬剤師が求められるようになると考えてください。
また、一般的に離島だと常に薬剤師不足です。薬剤師として勤務していたとしても、1~2年ほどで本島へ帰っていく薬剤師も多いです。そのため、薬剤師の募集を定期的にかけているのです。
例えば、以下は奄美大島(鹿児島県)の調剤薬局の募集です。
給料は非常に高く、新卒薬剤師であっても年収650万円からのスタートです。調剤薬局での業務だけでなく、在宅も積極的に行う薬局なので経験を積むことができます。
・パートやアルバイトも可能
正社員の求人を紹介しましたが、当然ながらパート薬剤師で働いたり、アルバイトとして勤務したりすることも可能です。
こうした薬局では、正社員の求人だけでなくパート・アルバイトの募集もたくさん出ています。薬局からすれば、正社員やパート・アルバイトに関係なく薬剤師を欲していることが多いです。そのため、パート勤務を考えている人でも離島薬剤師をすることができます。
・意外と医療レベルは高い
なお、僻地医療なのでそこまで医療レベルが高くないのではと考えがちですが、実際は逆です。都市部にある薬局だと短い時間で患者さんを次々と回していくのが基本ですが、離島だとそういうわけにはいかなくなります。
また、田舎なので在宅医療があるのは普通です。薬局によっては、無菌調剤室(クリーンベンチ)を設けて本気で在宅に取り組んでいる離島の調剤薬局もあるほどです。
例えば、以下は五島列島(長崎県)にある離島の薬局求人です。
長崎県も離島は多いですが、五島列島にあるこの薬局では無菌調剤を実施したり、漢方の指導まで行ったりしています。また、周辺の島を訪れて薬に関する相談も行っています。
都市部の薬局と離島の薬局では、忙しさの意味合いが違います。都市部の薬局は多くの患者さんをできるだけ早く、機械的にこなすことで忙しいです。一方で離島の薬剤師の場合、一人の患者さんに向き合う時間が長くなることでの忙しさがあります。
病院薬剤師の求人も存在する
ただ、中には調剤薬局ではなく離島で働く病院薬剤師の求人が存在しないのか気になる人もいます。これについては、募集があるのでしょうか。
離島の病院薬剤師についても問題なく求人があります。例えば、以下は奄美大島(鹿児島県)にある病院の募集です。
病床数が約250床のケアミックス型病院です。薬局に比べると、どうしても年収は落ちてしまいます。ただ、病院であってもこうした離島医療に携わることが可能です。
もちろん、募集の数でいえば薬局求人の方が圧倒的に多いです。病院の求人は少ないため、基本的には薬局への転職を考えるのが現実的です。
今回はケアミックスの病院例を示しましたが、急性期病院でも求人はあります。急性期病院で経験を積みたい場合でも問題ありません。
なお、離島などの僻地医療に積極的な病院として徳洲会が知られています。徳洲会の薬剤師求人に応募することで、離島医療を経験することも可能です。転職サイトなどを通じて離島の徳洲会病院へ転職すれば、それなりの規模の病院で経験を積むことも可能です。
パートやアルバイトでなく、短期派遣の離島薬剤師もアリ
なお、実際に離島で勤務するとなると、「そのような田舎で長く働き続けられるのか不安」と考える人は多いです。また、短期間だけ離島薬剤師を経験してみたいという人もいます。
転職による中途採用であれ、新卒の就職であれ、正社員であると辞めるときが大変です。薬局や医療機関にとって次の薬剤師がなかなか見つからないため、辞めるに辞められない状況になることもあります。
もちろん、新たな薬剤師が見つからないのは経営者の責任であり、あなたの責任ではないのでいつでも退職することは可能です。ただ、離島薬剤師で働き手が少ないために、都市部の薬局よりも退職しにくいのです。
そうしたとき、派遣薬剤師であれば短期での離島経験を積むことができます。一定の期間だけ、離島でのアルバイトが可能になるのです。派遣であれば離島薬剤師の経験を積むことができます。また、正社員になろうかどうか迷っている人であっても、派遣であれば正社員になる前に離島薬剤師の現状を把握できるようになります。
派遣薬剤師の短期求人についても、たくさんの募集が存在します。例えば、以下は壱岐島(長崎県)で出されている派遣薬剤師の募集です。
離島の派遣薬剤師であると、非常に時給が高くなります。最初から時給3,700円からスタートするため、かなりの高時給です。
この求人の場合、1日8時間勤務です。週5日だけ働く(土日休み)であるため、1ヵ月だと「時給3,700円 × 8時間 × 勤務20日 = 592,000円」の月収になります。年間に換算すると、年収700万円以上になります。経験に応じて時給4,200円まで可能なので、そうなるとさらに年収は高くなります。
派遣薬剤師であるため、薬局や病院などでの調剤経験は必須です。新卒や未経験の人は応募できません。ただ、調剤経験のある薬剤師なら短期での離島経験を積むことができます。
派遣薬剤師では必ず転職サイトを通さなければいけませんが、派遣に強い転職エージェントとしては「薬キャリAGENT」「お仕事ラボ」の2つがあります。それぞれ保有している求人が異なるため、両方に登録したうえで派遣の短期募集を確認するといいです。
どこの離島に薬局や病院があるのか
ただ、離島での薬剤師をするとはいっても、どの離島で薬剤師として働くことができるのか把握しておかなければいけません。
離島とはいっても、沖縄のようなリゾートがあれば、新潟・佐渡島のように冬は非常に寒く雪が降る離島もあります。また、香川県・小豆島のように姫路・岡山・香川へのアクセスが良く、関西圏にもすぐに出かけられる島もあります。そこで、どのような離島があるのか理解しておく必要があります。
日本に存在する主な離島としては、例えば以下のような島があります。
- 新潟県:佐渡島
- 東京都:八丈島、小笠原諸島
- 島根県:隠岐の島
- 香川県:小豆島、直島
- 長崎県:五島列島、壱岐島
- 鹿児島県:奄美大島、種子島、屋久島
- 沖縄:石垣島、久米島、宮古島
兵庫県・淡路島や広島にあるしまなみ海道の島については、道路によってつながれています。そのため離島という感じではないため、この記事では船でなければいけない島を離島と呼ぶことにしています。
ここに示した通り、必ずしも「離島=リゾート」ではありません。もちろん、ド田舎であることには変わりないですが、この中でどのような離島が適切なのか考えるようにしましょう。
年収条件の悪い離島求人もある
一般的に離島の薬剤師になると、年収は高めの傾向にあります。ただ、求人によってはそこまで条件が良くない案件も存在します。
例えば、離島を考えるときに小笠原諸島を思い浮かべる人は多いです。東京都ではありますが、小笠原諸島は世界遺産として知られるリゾート地でもあります。
小笠原諸島には、小笠原村診療所という公営の診療所があります。以下が実際の小笠原村診療所です。
出典:学校法人 湘央学園
ただ、地方公務員になるので離島薬剤師であるにも関わらず年収はそこまで高いわけではありません。どれだけ経験があっても最初は年収400万円未満が普通です。そのため、高年収を期待している人にとっては向いていません。
当然、派遣薬剤師の案件はないので正社員としての勤務になります。
離島の医療機関によっては、このような公営の医療機関も存在します。そのような場合、本当の意味で使命感にあふれ、安い年収であっても地域医療を支えたいと考える人が応募するべき求人といえます。
「どのような求人が良いのか」は人の価値観によって異なるため、転職先の条件についてはしっかり見比べるようにしましょう。
高収入を得られる離島求人のメリット
こうした例外はありますが、基本的には離島で働く薬剤師の年収相場は高いです。新卒薬剤師であっても、年収550~600万円からスタートするのが一般的です。年収650万円の求人も珍しくありません。
病院の求人だと年収350~500万円になってしまいますが、薬局の募集だとかなりの高年収を期待できます。
これは、それだけ僻地医療の担い手が少ないからです。そのためにこうした高年収の求人が出されますし、短期の派遣薬剤師についても高い時給になるのです。
なお、離島の中でも隠岐の島(島根県)、小豆島(香川県)、五島列島・壱岐島(長崎県)などのような、いわゆるリゾート地ではない島であると、より応募する人が少なく高年収を実現しやすくなります。
一方で石垣島のような有名な場所であると、少し年収相場は落ちます。石垣島であると、最初は年収500~550万円などになります。例えば、以下は年収550万円からスタートなので募集条件は割といい方です。
薬剤師の年収はすべて、需要と供給で決まります。石垣島でも当然、東京や大阪などの都市部に比べると圧倒的に年収相場は高いですが、それでも離島求人の中では人気の方なので、どうしても他の離島求人に比べると給料は落ちてしまうのです。
福利厚生が充実し、家賃や引越し代も負担してくれる
ただ、離島の求人では年収以外に確認するべきものがあります。それは、福利厚生です。病院だと別ですが、離島にある調剤薬局(または調剤併設ドラッグストア)では福利厚生が非常に充実しています。
まず、多くの場合で雇用先による家賃負担があります。薬剤師では家賃補助がどれだけあるのかが重要になります。このとき、どの薬局でも住宅手当が存在するのです。
もちろん、薬局によって住宅手当の額は異なります。ほぼ全額負担してくれる薬局があれば、家賃補助が月3万円ほどの会社もあります。実質的な手取り額に大きく左右するため、年収だけに着目してはいけません。必ず住宅手当がどれだけ出るのかについても確認するようにしましょう。
また、意外と忘れがちなのが「薬局・病院見学の費用」「引越し代金」です。薬局でも病院でも、面接や施設見学をするため、転職や就職をする前にその医療機関を訪れなければいけません(派遣薬剤師は除く)。そうしたとき、薬局によっては面接へ出向くための往復の交通費やホテル代を負担してくれることがあります。
さらに、離島への引越し代金は異常なほど高いです。例えば、東京から沖縄本島へ引越しをするとき、ワンルームの単身引越しであっても20万円以上になります。これが、それ以外の離島だと単身でも30万円以上になり、家族なら50万円以上の引越し代になるのが普通です。
しかし、そうした引越し代も福利厚生で負担してくれることがあります。例えば、以下の求人では社宅制度のほかに、引越し代の全額負担もあります。
離島での薬剤師をするに当たり、福利厚生も含めて検討するようにしましょう。年収以外に着目するべきものが住宅手当や往復交通費、引越し代です。
リゾート地ではマリンスポーツの福利厚生もある
なお、離島ならではの福利厚生も存在します。その代表的なものがシュノーケリングやスキューバダイビングです。薬局によっては、スキューバダイビングのライセンス取得を支援してくれるという、珍しい福利厚生もあります。
例えば、以下は沖縄県・石垣島で出されている調剤薬局の求人です。
私もスキューバダイビングの免許を保有していますが、教科書代やプール使用料、機材レンタル代など、その他の費用を含めるとライセンス取得費は交通費も含めて7万円ほどになりました。これが会社負担になるのです。
香川県・小豆島ではさすがに無理ですが、島根県・隠岐の島などであっても問題なくダイビングを楽しむことができます。当然、石垣島や小笠原諸島などのリゾート地であれば、見たことのない世界が広がるようになります。
以下は私が実際にスキューバダイビングで潜ったときに撮影した写真です。
離島薬剤師であれば、休日にダイビングや釣りなどを含め、好きなように海を満喫できます。そのため、こうしたマリンスポーツにチャレンジしてみてください。
新卒、未経験、ブランクありでも問題ない
田舎・僻地で働く薬剤師の他の特徴として、新卒であったり、未経験・ブランクありでも問題なく受け入れてくれたりすることがあげられます。しかも、最初から高年収です。
離島を含め、田舎の医療従事者は非常に少ないです。医療への需要が大きいにも関わらず、薬剤師を田舎でやろうという人は珍しいのです。
できるだけ多くの人に気兼ねなく応募してもらわなければ薬剤師を採用できません。そこで、新卒学生や未経験・ブランクありの人を含め広く募集しているのです。
さすがに一人薬剤師の求人には応募できません。短期の派遣薬剤師も無理です。ただ、正社員やパート・アルバイトであれば調剤経験のない新人薬剤師であっても問題なく面接にパスすることができるのです。
離島ならではのデメリットを理解する
ただ、離島で薬剤師をするうえで苦労することもあります。これについても、事前に理解しておかなければいけません。
最も分かりやすいのは、田舎すぎることがあります。島にスーパーはあっても、いくつも存在するわけではありません。また、カラオケや映画館などの娯楽施設もほとんどないです。自然はいくらでもありますが、マリンスポーツや山を含めた遊び以外は皆無だと考えてください。
例えば、以下は私が島根県・隠岐の島に行ったときの様子です。少し港を離れると、こういう風景ばかり広がるようになります。
時間は非常にゆっくりと流れるわけですが、こういう生活でも問題ない人が離島での薬剤師に適しています。
もちろん前述の通り、派遣薬剤師などで短期間だけ働くのも問題ありません。3ヵ月や半年など、短い時間であればリゾートや田舎の風景を満喫しながら、薬剤師をすることができます。
医薬品の在庫管理が大変
薬局や病院が医薬品を注文するとき、医薬品卸に依頼することになります。通常であれば、午前中に発注すればその日のうちに医薬品が薬局や病院に届けられます。場合によっては、急配としてすぐに薬を届けてくれることもあります。
ただ、離島の場合はそうした融通が利きません。医薬品卸の人が薬を届けてくれるとはいっても、フェリーの関係があるので毎日の訪問は無理なのです。
私は以前、島根県で医薬品卸の管理薬剤師をしていたことがあります。島根県には隠岐の島があり、隠岐担当のMS(医薬品卸の営業マン)がいました。その人の場合、隠岐に行ったらずっと島を回り、一週間は本土に帰ってこないという生活でした。
要は、医薬品の発注をして一週間は薬が届かないことも普通にあるのです。もちろん、離島によって物流が異なるため、週に2~3回は配達があることがあれば、週1回のケースもあります。例えば小笠原諸島の場合、フェリーが週に一回しか来ないため、医薬品が届くのは物理的に週1回になります。
いずれにしても、離島では医薬品の在庫管理が大変です。急に医薬品がなくなることもあり、その場合は宅急便で送ってもらい、2~3日で届くように手配するなどをします。離島薬剤師だからこそ苦労するものの一つに在庫管理があります。
転職サイトの複数登録は必須
他にも、大きな欠点として求人が世の中にほとんど出ないことがあげられます。
都市部であれば、いくらでも薬剤師に対する募集が出ています。調剤薬局やドラッグストア、病院に限らず企業の求人でさえ存在します。ただ、離島では薬局や病院の絶対数が少ないため、普通に求人を探しても出てきません。
そのため、転職エージェントの利用が必須です。このとき、転職エージェントごとに保有求人が異なるため、一つでは不十分です。必ず2~3社以上の転職サイトを活用し、登録するようにしましょう。
基本的にどの転職サイトも全国対応です。また、正社員に限らずパート・アルバイトにも対応しています。
ただ、派遣薬剤師については例外的に使用するべき転職エージェントが限られています。前述の通り「薬キャリAGENT」「お仕事ラボ」の2つである必要があります。この注意点を守り、離島の求人募集を見つけるようにしましょう。
都市部へのアクセスは問題ないことがある
離島に住むとはいっても、たまには都市部に出向いたり、旅行へ行ったりしたいと考えることは多いです。その場合であっても、島によっては意外と問題ないことは多いです。
石垣島や宮古島であれば、羽田空港や伊丹空港への直行便があるのは容易に想像できます。ただ、その他の離島にも空港が存在し、問題なく飛行機が発着しているのです。離島の中で空港がある島としては、例えば以下のようなものになります。
- 東京:八丈島空港
- 島根県:隠岐空港
- 長崎県:五島福江空港、壱岐空港、対馬空港
- 鹿児島:奄美大島空港、屋久島空港、種子島空港
- 沖縄県:石垣島、宮古島、久米島空港、北大東空港、南大東空港、多良間空港、与那国空港
もちろん、フェリーでなければ島の外に出られないケースもあります。ただ、「定期便の発着がある空港」をもつ島であれば、意外とアクセスは良いです。
例えば、以下は「東京-奄美大島」の飛行機便(片道)です。
LCCの格安航空券であれば、「成田空港-奄美大島空港」が片道6,760円です。また、JAL(日本航空)だと「羽田空港-奄美大島空港」で11,590円です。「東京-大阪」の新幹線代が片道13,620円なので、それよりも安い値段になります。
島によって空港の有無は異なりますし、実際に島の外に出る機会が少ないのは確かです。ただ、交通の便自体は地方に住んでいる人とそこまで変わらないと考えてください。
ちなみに、私は島根県のド田舎(離島ではない)で薬剤師をしていたことがありますが、東京や大阪へ行くには非常に大変でした。電車で広島まで行き、そこから新幹線や飛行機を使う必要があったからです。その地域よりも、空港がある場合はこうした離島の方がはるかに東京・大阪へアクセスしやすいです。
離島求人を探し、薬局や病院の募集に応募する
絶対的な人数は少ないものの、離島で薬剤師勤務をしてみたい人はいます。このときは正社員やパート・アルバイトでも問題ないですし、短期の派遣薬剤師でも受け入れてくれます。当然、新卒や調剤未経験の薬剤師であっても応募できます。
娯楽施設は皆無ですが、豊かな自然に囲まれた中で、在宅医療を含めさまざまな医療を経験できるのが離島薬剤師の特徴です。さらには高年収であり、住宅手当も充実しているので、お金を使う場面はほとんどなく、たくさん貯金できます。
転職サイトを2~3社以上は活用するべきという注意点はありますが、離島の求人へ応募して薬剤師をすることは十分可能です。
僻地医療の最たるものとして、離島で働く薬剤師があります。都市部の薬剤師とは異なり、住民からの期待は大きいのでやりがいは大きくなります。そうした求人へ応募し、離島薬剤師として活躍してください。
薬剤師が転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。自分一人では、頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。
一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や薬局、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。
ただ、転職サイトによって「電話だけの対応を行う ⇔ 必ず薬剤師と面談を行い、面接同行も行う」「大手企業に強みがある ⇔ 地方の中小薬局とのつながりが強い」「スピード重視で多くの求人を紹介できる ⇔ 薬剤師へのヒアリングを重視して、最適な条件を個別に案内する」などの違いがあります。
これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。
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インタビュー記事:薬剤師の転職サイト
・ファーマキャリア
薬剤師求人の中でも、「どこにも載っていない難しい案件」を探すことに特化した、オーダーメイド求人の発掘を行っているファーマキャリアさまへ取材しました。