薬剤師として就職・転職を実現するとき、最も多くの人が働く先として薬局があります。このときの薬局としては、調剤薬局やドラッグストア(調剤併設ドラッグストア)があげられます。

ただ、こうした薬局の中には「漢方薬をメインで扱っている」という店があります。いわゆる漢方薬局であり、西洋薬の取り扱いが一般的な中で、漢方薬にフォーカスするという珍しい薬局です。

薬剤師の中には、こうした漢方薬局への就職・転職を考える人もいます。それでは、どのように考えて漢方ありの薬局の求人を探し、働くことができるようにすればいいのでしょうか。漢方薬局では、一般的な調剤薬局やドラッグストアと行っていることが大きく異なるため、これについて理解する必要があります。

勉強好きな人に向く漢方薬局

薬学生であれば、生薬や漢方について勉強する機会があります。ただ、その量は膨大であるものの、薬剤師国家試験の点数アップにほとんど役に立たないため、最初から生薬や漢方の分野を捨てる人がほとんどです。

また、実際に病院や薬局などで働き始めたとしても、西洋薬がメインであるため漢方薬についてしっかりと勉強する機会はありません。そのため、薬剤師であっても漢方について深く理解していない人がほとんどです。

「虚実」「気血水」などの単語や意味は知っていたとしても、東洋医学に関わる他の概念について無知であることが多いのではないでしょうか。

そのため漢方薬局で働き始めるとなると、ほぼゼロの状態から勉強しなければいけません。調剤薬局やドラッグストアのように漢方薬を「サブ」として扱っている薬局ではなく、漢方薬局ではこれまで勉強したことのない東洋医学について必死で学ぶ必要があるのです。

そういう意味では、勉強が苦手な人にとって「漢方ありの薬局」は向いていません。ただ、新たな分野を学んでチャレンジすることが好きな人にとって、漢方は未知の分野なので新たな知見を開けるはずです。

漢方薬局の種類やビジネスモデルを学ぶ

それでは、どのような漢方薬局へ就職するのが適切なのでしょうか。

まず、漢方薬局とはいってもどのような種類の薬局があるのか理解しなければいけません。このうち、大きく以下の4種類に分けることができます。

  • 処方せん受付メインの漢方薬局
  • OTCも扱う、ドラッグストア型の面対応薬局
  • 漢方薬だけの自費治療薬局
  • 美容クリニックメインの調剤薬局

それぞれについて確認していきます。

漢方内科(漢方クリニック)の隣にある調剤薬局は保険適用

漢方内科(漢方クリニック)の横にある薬局の場合、漢方メインの処方せんが飛んでくるため保険調剤が主な収益源です。この場合、自費治療の漢方薬を販売することはほとんどありません。ツムラやクラシエなどが出している、一般的な漢方薬を調剤するのがメインになります。

さらには、漢方クリニックとはいっても一般的な西洋薬に関する処方せんも発行します。そのため、調剤するのはツムラなどの漢方薬に限りません。普通の調剤薬局と大きな違いがないため、それまで漢方薬局に勤めたことがなかったとしても問題なく勤務できるようになります。

例えば、以下は東京にある「漢方内科の処方せんを取り扱う調剤薬局」から出された中途採用の求人になります。

漢方クリニックの処方せんであるため、保険調剤になります。

こうした漢方薬局で勤務する場合、ツムラやクラシエが出している医療用医薬品の漢方薬については勉強する必要があります。

ただ、特に患者さん向けにセミナーやイベントなどを開催する必要はなく、処方せん収入だけで経営が成り立ちます。自費治療で頑張っている漢方薬局に比べると、患者さんとの触れ合いは圧倒的に少なくなることは理解しましょう。

また、扱う漢方薬もツムラかクラシエの漢方薬(医療用医薬品)だけに偏るため、スキルや知識という意味では自費治療がメインの漢方薬局で働くよりも、漢方知識は圧倒的に劣ることは理解しましょう。

ただ、通常の調剤だけをすれば問題ないため、漢方を学びたいが「積極的に患者さんとコミュニケーションを取り、商品販売するのがそこまで得意でない人」「漢方の調剤と並行して、西洋薬の知識も錆び付かせたくない人」は漢方内科(漢方クリニック)の隣にある薬局へ転職すればいいです。

ドラッグストア型の面対応薬局も処方せん受付になる

また、大手チェーンのドラッグストアではなく、個人薬局のような形態でいろんな一般用医薬品(OTC)を取り扱っている店舗も存在します。こうしたドラッグストア型の個人薬局だと、多くは漢方相談も積極的に実施しています。

漢方メインというわけではなく、医療用医薬品や健康食品・サプリメント、漢方薬を含めて総合的に相談できるドラッグストア型の個人薬局だと考えてください。

例えば、以下のような個人薬局がこれに該当します。

日用品や健康食品・サプリメントなど、ドラッグストアとして機能しつつも漢方相談や処方せん受付にも対応しています。こうした個人薬局では、漢方薬に限らずあらゆる相談を患者さんから受けるようになります。

地方ではこうした薬局がそれなりにたくさんあります。もちろん、東京や大阪、名古屋、福岡、横浜などの都市部であっても、人口が多い分だけドラッグストア型の個人薬局は多いです。

また、こうした面対応薬局は大手チェーンの調剤併設ドラッグストアと業務内容が似ています。そのため、調剤経験のある薬剤師にとって転職して働くときはすぐに慣れることができます。

煎じ薬や漢方茶など自費治療が仕事内容の漢方薬局

そうした中でも、一般的な保険治療の調剤薬局やドラッグストアとは大きく形態が異なるものとして、漢方薬メインの漢方薬局があります。こうした漢方薬局では、一般的な調剤薬局と比べてビジネスモデルが大きく異なります。

一般的な調剤薬局では、保険調剤にすべてをゆだねています。患者さんが処方せんをもってこなければ、調剤薬局の運営は成り立ちません。

それに対して、漢方専門の薬局では多くの場合で保険適用されず、自費治療を基本にしています。

こうした漢方薬局の多くは、薬局内にセミナールームがあったり定期的にイベントを開催したりしています。そこに人を呼びこみ、漢方薬について知ってもらうと共に漢方製剤の有用性を啓もうします。

また、一人の患者さんに対して最初は1~2時間ほどのヒアリングをします。普通の調剤薬局やドラッグストアでは考えられないほど、お客さんとの密な関係の構築を考えるのです。

ちなみに私の薬学部時代の友人には、実際に自費治療メインの漢方薬局で働いている薬剤師がいます。その薬局では、一人のお客さんが月1万円以上のお金を払って漢方薬を定期購入します。そのため、それなりに儲かっているようです。

ツムラやクラシエなど一般的な漢方薬は既製品のエキス剤であり、大衆向けです。そこで、その漢方薬局では患者さんへヒアリングした後、その人に合わせてオーダーメイドで漢方薬を作っています。煎じ薬や漢方茶を含め、その人の症状に合わせて薬剤師主体のもと調剤をするのです。

こうした漢方薬局についても、転職サイトなどを活用すれば問題なく求人を探すことが可能です。例えば、以下は神奈川県横浜市の漢方薬局から出された求人募集です。

このように、煎じ薬を取り扱うかなり本格的な漢方薬局になります。その人に合わせて煎じ薬や漢方茶を勧めることにより、自費治療によって患者さんを指導できるようになります。こうした漢方薬局であれば、医師ではなく薬剤師主導で患者さんを治療できるようになります。

「妊活」「冷え」「疲れ」「更年期障害」など、西洋薬で対応できない症状であっても漢方薬であれば有効なケースは多いです。患者さんと薬剤師が直に接することで、どのような漢方薬が良いか提案できることに他の薬局とは違う大きなやりがいがあります。

美容クリニックメインの調剤薬局も漢方薬となる

また意外と知られていませんが、美容クリニック・美容皮膚科がメインとなる調剤薬局についても漢方薬が主になります。

女性の美容については、西洋薬よりも漢方薬が基本になります。ダイエットやニキビ、更年期障害による肌荒れを含め、こうした問題は西洋薬で解決するのではなく、漢方薬によって改善するのが基本になります。

例えば、ダイエットに効果的な漢方薬として防風通聖散が有名です。

これらを含め、女性の美容に効果的な漢方薬を調剤するのが美容クリニックの門前薬局で働く薬剤師の仕事内容になります。

また、美容クリニックの隣にある調剤薬局については、処方せんに基づいて調剤をするだけではありません。自ら煎じ薬や漢方茶、ハーブなどを提供することによって、患者さんから密な相談を受け付けるようになることも多いです。

例えば、以下は「美容クリニックメインで処方せんを受け付けている調剤薬局」の求人募集ですが、この薬局ではカフェを併設しています。

また、併設カフェでは患者さんに合わせて漢方茶やハーブ茶の調合も行うと記しています。ここから、処方せんに頼らない漢方薬局と同じように、自費治療も組み合わせていることが分かります。

美容クリニック自体が完全なる自費治療です。保険適用はされません。そのため、患者さんは自費治療によって薬代を出すことについては問題ないと考えています。そのため、自分の美のために煎じ薬や漢方茶を購入することに抵抗はないのです。

ただ、一つだけ注意点があります。美容クリニックメインの薬局の場合、男性薬剤師は転職するべきではありません。整形や脱毛を含めて女性のかなり深いコンプレックスに関わるようになるため、働くにしても美容クリニックメインの薬局は女性薬剤師が適しています。

漢方薬局にはどのような患者さんがくるのか

それでは、実際に漢方薬局へ転職して働くようになった場合、どのような患者さんが来院するようになるのでしょうか。これについては、主に女性を相手にするようになります。

まず、西洋薬と漢方薬では性質が大きく異なります。西洋薬の場合、数値が重視されます。例えば、「血圧は上が140であると高血圧」「HbA1cが6.5以上だと糖尿病」のように数値から病気を判断します。

一方で漢方では数値よりも症状や患者さんの見た目が重視されます。「虚弱体質」「赤ら顔」「お腹に張りがある」などです。そのため、漢方薬は「数値では判断できない症状の改善」に効果を示します。

「数値では判断できない症状」とは、例えば不妊やアトピー、更年期障害などを指します。「何だか体がだるい」などのような不調も漢方薬が得意です。こうした数値で表されない症状を発症する人は女性が多いのです。

それでは、漢方薬局で具体的にどのような症状を扱っているのかというと、主に以下のようになります。

・不妊治療(子宝相談)

漢方薬局で取り扱うもののうち、不妊治療はメインの一つです。多くの漢方薬局が不妊症に悩む女性を対象に子宝相談を実施しています。

「避妊をせずに1年以上、子づくりに励んでも妊娠しない場合」は不妊症とされています。こうしたとき、体質から改善する漢方の力を活用することで、原因不明の不妊症を治療して妊娠しやすくさせます。

不妊の原因はさまざまです。「身体が冷えやすくなっている」「血のめぐりが悪い(お血)」など、人によって異なります。その人によって漢方薬を使い分け、さらには生理周期によっても薬を変えていくことで不妊治療を実施していきます。

特にお血(悪い血のめぐり)に関わる婦人病は多く、子宮内膜症や子宮筋腫などはお血と深い関わりがあります。こうした状態を漢方によって取り除くのです。

西洋薬であるとホルモン剤や排卵誘発剤による治療しか行えず、治療が長引くほど卵胞の発育が悪くなります。そこで、漢方による体質改善を行います。

・PMS、更年期障害

生理前になると頭痛や吐き気、冷え性、イライラなど不快な症状が表れる病気をPMS(月経前症候群)といいます。PMSは不妊症とも関わっていますが、こうした「何となくだるい症状」は漢方薬が適しています。

また、同じように更年期障害も漢方薬が優れています。当帰芍薬散や加味逍遥散などは更年期障害に効果を有する漢方薬として有名ですが、こうした漢方薬を活用することで婦人病を改善させていきます。

・アトピー性皮膚炎

皮膚疾患にはアトピーやじんましん、肌荒れなどがあります。その中でも、漢方薬局ではアトピー治療を行っていることが多いです。

アトピー性皮膚炎では主にステロイド外用薬が活用されます。ステロイドは効果が高いものの、その場しのぎの対症療法です。

ステロイドに頼らずにアトピー治療をしたいという人は非常にたくさんいます。こうしたニーズに応えるため、漢方を活用することで根本治療を目指すのです。

漢方では、アトピーは乾燥タイプ(皮膚がカサカサして、冬に症状が悪化するタイプ)と湿潤タイプ(肌がじゅくじゅくして、夏に悪化するタイプ)の2つがあると考えます。そこから、症状や体質に合わせて適切な漢方薬を使用していきます。

・ニキビ

皮膚疾患の中では、アトピーの次に多い患者さんとしてニキビがあります。ニキビ・吹き出ものは漢方が得意とする分野でもあります。

ニキビについても白ニキビや赤ニキビと種類があります。また、「虚弱体質」「貧血ぎみ」「筋肉質」など患者さんの体質や症状によって活用する漢方薬を使い分けていきます。

・肥満・ダイエット

体質改善することで、リバウンドしにくい体を作った上でダイエットを実現することも漢方薬局の分野です。漢方の力を活用して体重を減らし、肥満症を解消させるのです。

漢方では「気血水」のバランスが崩れることで、肥満症になると考えられています。例えば、水のバランスが崩れると水太りになり、血のめぐりが悪い(お血)と老廃物が排泄されずに体重が増えると考えます。

漢方薬の中でダイエットに活用される薬としては防風通聖散が最も有名ですが、上記のように人によって肥満症の原因が異なるため、漢方薬局では肥満症を解消させるときに防風通聖散だけを出すことはありません。患者さんの症状に合わせた漢方薬を活用する必要があります。

漢方薬剤師になるには、漢方薬・生薬認定薬剤師は必要か

このとき、漢方薬局で働くためには資格が必要なのでしょうか。

漢方薬や生薬に関わる認定薬剤師として、漢方薬・生薬認定薬剤師があげられます。漢方薬・生薬認定薬剤師については、所定の研修を受けた後に試験に合格すれば資格を取得できます。

また、認定期間は3年なので更新が必要です。更新では同様に所定の研修・セミナーを受講しなければいけません。専門知識を補うために受講が必要になるのです。

しかし、漢方薬局への転職を考えるとき、基本的に薬剤師であれば漢方薬・生薬認定薬剤師を含め特別な資格は必要ないと考えましょう。

特に自費治療の漢方薬局であれば、保険適用されないので極論を言えば無資格の人であっても問題ありません。ただ、実際は薬剤師免許をもっている人が患者さんの応対をするというわけです。転職時に「漢方薬剤師になるには、漢方専門の資格が必要なのか」と考える必要はありません。薬剤師免許さえあれば問題ないのです。

そのため資格や勉強のことなどは考えず、漢方薬局へ転職したい場合は早めに中途採用の求人募集を探すのがおすすめです。

漢方薬に関する特定の勉強会や講座に出席するよりも、早めに漢方薬局へ転職して現場経験を積みながら知識を身に着けた方が、薬剤師として何倍も成長できます。無駄に勉強するよりも実際に働きながら学んだ方が、成長度合いが大きいことを理解しなければいけません。

薬剤師主導の販売に興味のある人に人気の漢方薬局

特に自費治療がメインとなり、薬剤師主導で薬を販売することになる漢方薬局であれば、薬剤師がメインになって患者さんを治療できるという大きなメリットがあります。一般的な薬剤師のように医師の処方せんだけに頼ることなく、自ら患者さんを診ていくのです。

保険医療の薬局だと「どれだけ効率よく服薬指導をして、患者さんの回転率を上げるか」が利益を伸ばすために大切です。

それに対して保険適用に頼らない漢方薬局では、丁寧な説明を行うことでリピートしてもらう努力が必要です。隣の病院やクリニックが自動で集客してくれるわけではないため、本当の意味で患者さんの満足度を高めなければいけません。

そのため、医師に頼る形態ではなく自らの力で患者さんへ指導を行い、症状の改善を支援したいと考えている薬剤師にとっては人気の職場となります。

また、漢方薬局が主体となってセミナーやイベントを開催するときは集客が必要になるため、広告を出すこともあります。実際にセミナーに来た人に対しては、どのようにして薬局のファンにさせるかまで考えて、漢方や東洋医学の解説をしなければいけません。

そういう意味では、隣の病院やクリニックに集客を依存する一般的な調剤薬局やドラッグストアと比べてまったく形態が異なります。そのため自費治療の割合が大きい漢方薬局の場合、学ぶことは漢方薬の範疇を大きく超えると考えてください。

薬以外に学べることは多い

なお、東洋医学の分野は漢方薬だけではありません。例えば「食」が存在します。薬剤師であれば薬膳という言葉を必ず聞いたことがあると思います。食物がもっている働きを引き出すことで、滋養強壮など健康を整えるようにするのです。

また、自家製剤を開発することで自社のオリジナルブランド商品を販売することもあります。

一般用医薬品や医療用医薬品を含め、薬局では製薬会社が開発した商品を売るのが一般的です。ただ、そうではなく自分が開発した商品を患者さんに使ってもらうことは多いです。

さらにはアロマテラピーとして、植物がもつ香りを健康改善や疲労回復に活用することもあります。この場合、薬剤師は匂いについて勉強しなければいけません。場合によっては、化粧品を勧めることもあります。

薬だけでなく食事(薬膳)や自家製剤、ハーブ、アロマテラピー、化粧品まで含めてあらゆることを学びたい人にとって、漢方薬局は非常に勉強しやすい環境が整っています。新たな挑戦に気持ちが高ぶる人にとって、漢方薬局の求人は良い転職先だといえます。

漢方薬局へ就職したときの年収・給料は薬剤師の努力次第

なお、漢方薬剤師として専門で働くときに気になるのは収入です。ある程度の年収を確保できなければ、いくら薬剤師としての職能を発揮できるとはいっても就職に躊躇してしまいます。

これについては、「漢方クリニック(病院の漢方外来)の処方せんをメインで受け付ける調剤薬局」「面対応で漢方の取り扱いをするドラッグストア型の薬局」の場合、収入は通常の調剤薬局と変わりません。つまり、それなりに高い給料を確保できます。

例えば、中小薬局やドラッグストアへ就職する場合、東京や大阪などの都市部だと薬剤師の年収は一般的に450万円以上です。処方せんを取り扱う薬局では、漢方薬局であってもこのような給料になると考えてください。

例えば、以下は東京にある「保険調剤をメインで行うが、漢方薬の取り扱いの多い薬局」での中途採用です。

この薬局では、年収450万円からスタートです。給料は普通ですが、一般的にはこのような収入になると考えて問題ありません。

それでは、漢方薬剤師として専門特化した薬局で勤務する場合はどうなのでしょうか。これについても同様に年収が特に低くなることはないと考えてください。

例えば、以下は福岡にある本格的な漢方薬局での求人募集です。

煎じ薬、刻み薬を含めて薬剤師主体で調剤することになる薬局ですが、未経験でも年収420万円であり、経験次第では年収600万円も可能です。そのため、やり方によっては高い年収を実現できます。

自費治療の漢方薬局であると、既に述べた通り毎月1万円以上を支払ってくれる患者さんが定期的に訪れます。こうした患者さんを増やし、さらにはサプリメントなどを含めて抱き合わせ販売をすれば、より薬局の売上が上昇していくようになります。

こうして患者さんを満足させ、さらには薬局の売上にも貢献できる薬剤師であれば、当然ながら高年収を実現できるようになるのです。

パートや派遣でも漢方薬局で働ける

なお、このときの勤務形態は正社員に限りません。パート・アルバイトや派遣であっても漢方薬局で勤務できます。

当然、パート・アルバイトや派遣については、処方せんを取り扱う漢方薬局に限りません。煎じ薬を含め、本格的な漢方薬局であってもパート薬剤師として活躍することが可能なのです。求人数は少なくなりますが、問題なく薬剤師免許を活かして働くことができます。

例えば、以下の東京にある漢方専門薬局では、パート・アルバイトの募集を出しています。

煎じ薬の取り扱いがある本格的な漢方薬局ですが、このようにパートでも問題なく働けることが分かります。時給は2,100円からであり、一般的な調剤薬局やドラッグストアと同じ程度の収入を実現できます。

また、派遣薬剤師だとかなりの高時給を実現できることで知られていますが、これは漢方薬局でも同様です。例えば、以下は神奈川にある薬局から出ている派遣求人です。

漢方メインで取り扱う調剤薬局であり、派遣薬剤師なので時給は3,000円以上です。このように、派遣であっても漢方薬剤師の求人が存在します。

薬剤師主導の漢方薬局は大きな魅力がある

西洋薬にはある程度は詳しくても、漢方薬や生薬になると急に知識が乏しくなる薬剤師は非常に多いです。ただ、漢方薬局であれば当然ながら漢方がメインになるため、転職することで漢方の考え方について学べるようになります。

ただ、漢方薬局とはいってもいろんな種類があります。ここで述べた通り、以下の4つに大きく分かれます。

  • 処方せん受付メインの漢方薬局
  • ドラッグストア型の面対応薬局
  • 漢方専門の自費治療薬局
  • 美容クリニックメインの調剤薬局

この中でどのような形態の漢方薬局で勤務したいのかを考えるようにしましょう。その中でも本格的な漢方薬局を目指すのであれば、自費治療の割合が非常に高く、煎じ薬や漢方茶を含めて患者さんに提供する薬局を選ぶといいです。

そうした薬局であれば、薬剤師主導による医療を提供できます。医師による処方せんに頼る必要がなくなるのです。

勉強は必要ですが、あなたのアドバイスによって患者さんの症状が改善していくと、その分だけ患者さんはあなたに感謝してくれます。一般的な薬局では経験できない達成感を漢方薬局では味わうことができるのです。

こうしたことに、漢方薬局で働く薬剤師の大きなメリットがあります。

もちろん、漢方薬局の求人は当然ながら少ないので転職サイトなどを活用しながら、求人募集を探すようにしましょう。そうして優れた漢方薬局の求人を見つけ、転職した後は必死で勉強してみてください。患者さんの症状から薬やサプリメントを提案し、患者さんの病状が良くなれば大きなやりがいを感じられるようになります。


薬剤師転職で失敗しないために必要な理想の求人・転職先の探し方とは!

薬剤師が転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。自分一人では、頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や薬局、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「電話だけの対応を行う ⇔ 必ず薬剤師と面談を行い、面接同行も行う」「大手企業に強みがある ⇔ 地方の中小薬局とのつながりが強い」「スピード重視で多くの求人を紹介できる ⇔ 薬剤師へのヒアリングを重視して、最適な条件を個別に案内する」などの違いがあります。

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