薬剤師が転職を検討するとき、どの時期に求人を探せばいいのかなど転職すべきタイミングで迷う人は多いです。「何年目以降なら問題ないのか」「一年のうち何月がいいのか」など、転職に最適なタイミングを考えるようになるのです。

もちろん、転職すべきタイミングは人によってさまざまですが、他の人がどのような時期に転職を実現しているのかを知ることは、転職での失敗を避けることにつながります。

薬剤師転職では最適な辞めるタイミングや季節があります。人によってはボーナス転職を実現できる時期が最適かもしれないですし、求人がたくさん出る季節が優れているかもしれません。こうしたことを理解したうえで、どの時期で求人を探せばいいのか考える必要があります。

そこで最適な転職のタイミングについて確認し、どのように求人を探して転職を進めていけばいいのかについて解説していきます。

1年目、2年目以降なら転職価値が高い

まず、何年目での転職が適切なのかというと、薬剤師経験が1年以上あれば十分です。どの薬局でも受け入れてくれます。もちろん入社すぐや半年ほどの調剤経験でも受け入れてくれますが、1年以上の経験があると調剤薬局や調剤併設ドラッグストアを含めあらゆる場所で勤務可能です。

これが1年目でなく2年目以降であっても、どのような会社へも転職が可能になります。実際、採用が難しいとされる一般企業であっても、2年目以降なら転職可能です。

例えば、以下は製薬会社の中でも花形で知られる開発職(CRA)の求人です。

調剤経験やMR経験があれば未経験でも応募できますが、こうした求人は一般的に1年目以降(できれば経験2年以上)があれば転職できます。つまり、薬剤師としての経験が数年あればいつでも転職できると考えて問題ありません。

何年目での転職がいいのかについては、経験1年以上かどうか(2年以上なら確実に問題ない)で判断するといいです。

求人が出やすい1~3月と9月の時期がある

それでは、転職時期についてはどうなのでしょうか。

まず、転職するべきタイミングを知るうえで求人が出やすい時期を理解することは重要です。当然ながら、少ない求人から選ぶよりも多くの求人から選択した方が良いです。求人数が多いほど、あなたに適した求人を探すことができるからです。

何月に求人の数が多くなるのかというと、1~3月と9月です。これは単純に企業にとって3月と9月が年度末と半期末であり、4月や10月から新たな年度や期が始まるからです。

4月や10月など、節目の月は退職する人がどうしても多くなります。例えば、「一般企業に勤めている旦那の転勤に伴って退職する」という女性薬剤師は多いです。このときの欠員を補うため、求人を出すのです。

特に4月は多くの人が異動するため、1~3月は求人が非常に多くなります。実際、薬剤師の転職で最も活発になりやすいのが1~3月となっています。

なお、その反対に求人が少なくなりやすい時期が存在します。それは、「長期の休みのある月」です。例えば、お盆や夏季休暇のある8月は企業の活動が止まりやすく、求人が少ないです。同じように、年末年始を迎える12月も求人が少なくなります。GWを迎える4月末も同様です。

ただ、これらの休暇を過ぎた後は再び転職活動が活発になります。例えば8月であっても、お盆を過ぎると求人が増え始めます。その中でも、1~3月と9月は特に求人が多くなるというわけです。

なお、病院薬剤師を希望している人の場合、転職時期は重要です。病院によっては「4月や10月しか中途採用を受け付けない」などのように、採用時期が決められていることがあります。そのため、病院希望の人は特に転職のタイミングを考えなければいけません。

・好条件の求人は競争が激化する

このとき、求人数が多くなるのはメリットですが、この時期で転職を考える薬剤師の数も多くなります。そのため、好条件の求人であるほどすぐに募集枠が埋まるようになります。

例えば、以下は東京で出された企業内診療所の薬剤師募集です。

特に1~3月だと、こうした珍しい求人であっても出されるようになります。ただ、こうした人気の求人ほど多くの人が応募するため、倍率は高くなると考えた方がいいです。

ボーナス後の1月や7月に転職を実現する

薬剤師が転職を行うとき、ボーナスを受け取った後に転職する「ボーナス転職」という方法も存在します。

ボーナスが支給されるタイミングは多くの場合で6月と12月です。そこで、ボーナスを受け取った後の7月や1月に退職するのです。この場合、転職活動をする時期は5~6月や11~12月が適切です。この時期に求人を探して転職先を決めてしまいます。

ただ、ボーナス転職を行うときは「もらい逃げ」だと思われないように留意しなければいけません。そのため、少なくとも退職時期の1ヵ月前から退職することをいまの職場に伝えなければいけませんし、引き継ぎを含めて準備をする必要もあります。

私も薬剤師として最初の会社(新卒で入社した会社)を辞めるときは6月にボーナスをもらった直後でした。ただ、このときはかなり前から退職することを上司に伝えましたし、引き継ぎもしっかり行いました。そのため、他の同僚からもらい逃げだと思われることなく円満退社できました。

結婚時や出産前のタイミングで転職する

女性薬剤師の場合、結婚や出産のタイミングで転職する人も多いです。結婚して子供が欲しいと考えたとき、妊娠・出産する前に転職を行うのです。

実際のところ、子供が生まれた後の転職ではかなりの制約が出てきます。そこで、結婚したのであれば、いまのうちから子育てに対して理解のある薬局や病院に転職してしまった方がいいです。もちろん、いまの職場が子育てに理解があるのであれば問題ありませんが、そうでない場合は転職を検討する人が多いです。

なぜ、早めに転職を完了した方がいいのかというと、育休を必ず取得するためには「入社日から1年以上が経過している必要がある」からです。産休については必ず取得できるものの、育休については入社1年未満では会社は拒否できるのです。

そこで、早めに育児への理解がある職場で働くようにするといいです。正社員に限らず、パートで働くにしても働き方はさまざまであり、「1日6時間の時短勤務をする」「午前中だけ働く」など好きなように選択できます。

例えば、以下は東京の薬局から出された求人募集です。

このように正社員で働き、子供が生まれた後に時短勤務が可能な薬局へあらかじめ転職しておくのです。また、この薬局では子供が小学校3年生を終えるまで長く時短を認めてくれるため、育児に理解があると想像できます。

育休というのは、「同じ会社で働き続ける」ことを前提にしています。そのため、育休が終わったと同時に退職すると周囲の薬剤師から非常に嫌な顔をされます。

産休や育休を取得した後の欠員を周囲の薬剤師が埋め、復帰を待っていたにも関わらず「休みと給付金だけ受け取って辞める姿」を見たとき、当然ながら良い印象を与えることはありません。そのため、円満退社にはほど遠いです。

こうした事態を避けるため、結婚をした段階で将来を見据えて育児に理解のある職場への転職を完了させておくのです。事前に転職してとき、復帰して働くことが前提であれば、周囲から祝福された状態で産休・育休に入れます。

辞めるタイミングは年齢が若いほど良い

また年齢が若く、できるだけ早いタイミングで転職することを考える人は非常に多いです。実際のところ、転職市場では年齢が若いほど価値が高いです。下手に経験を積むことを優先し、年を重ねると転職できなくなってしまうのです。

つまり、辞めるタイミングは早いほどいいです。早めに退職して優れた職場に転職するほど、希望通りの職場へ就職できるようになります。

例えば、総合病院や企業への転職であると年齢制限があります。35歳を超えた時点で受け入れてもらうのが難しくなります。高年齢のため無駄に年収が高くなるにも関わらず、20代の若い人に比べて仕事を覚えるスピードが遅いからです。

薬剤師経験が1年未満だと微妙ですが、1年や2年以上の経験があるなら問題ありません。何年目が適切というのはなく、ある程度の経験があるなら辞めるタイミングは早いほど良いのです。

いますぐ辞めたいと感じたときに退職する

また、中には時期やタイミングに関係なく「いますぐ辞めたい」と考える薬剤師もいると思います。

こうした場合、まずは冷静になりましょう。その場の感情によって動いてしまうと、結局のところ転職で失敗してしまいます。感情に流されて退職し、転職する人の中で成功する人は非常に少ないのです。

具体的には、いまの職場を客観的に見つめてみましょう。もしかしたら、人間関係や職場環境が悪化しているのは自分に原因があるのかもしれません。その場合、自分の行動を変えるだけで改善されるため、転職しなくて済みます。

ただ、「どうやっても上司(管理薬剤師など)と一緒に仕事をできない」「ずっとサービス残業が常態化しており、改善される余地がない」など、いくら考えても職場が良くなる方向に向かわない場合は転職を検討しましょう。

転職するとき、「譲れない希望」と「妥協できる条件」を分けるといいです。年収、勤務地、勤務時間、忙しさ、休日の日数、一緒に働く薬剤師の数など勤務条件はさまざまです。このうち、あなたにとって優先順位が高いものや妥協しても問題ないものをピックアップするのです。

こうした優先順位をつけて転職活動に臨むと、転職での失敗を防げるようになります。

転職活動期間はどれくらいが適切なのか

それでは、実際に転職活動を行うときにどれくらいの期間をかけるのが普通なのでしょうか。また、どのようにして転職活動を進めていけばいいのでしょうか。

このとき注意すべきなのは、スピード転職です。薬剤師が転職するときに失敗してしまう理由はいくつかあり、その中の一つとして「求人を探し始めて3日で転職先を決めてしまう」などの早期就職があります。

薬剤師が求人を探すとき、多くは転職サイト(転職エージェント)を利用します。このとき、転職サイトによっては「スピード転職が可能」と打ち出し、素早い転職を促す転職エージェントがあります。ただ、これは危険なのでやめましょう。

焦って決めるのではなく、2週間から1ヵ月などと、ある程度の転職活動期間を設けて求人を探さなければいけません。これにより、ようやく転職先の薬局やドラッグストア、病院、一般企業とのミスマッチを防げるようになります。

スピード転職はミスマッチを加速させる

薬剤師として働く場合、狭い世界の中で薬剤師業務を行うようになります。例えば薬局であれば、基本的に2~3人ほどの規模であることが多いです。処方せん枚数が多ければもっと人数は多くなりますが、それでも数人規模であることには変わりありません。

これは病院であっても同様です。大病院であれば話は違いますが、中小病院であると薬局と同じように数人規模になります。

こうした狭い世界で働くとき、人間関係が重要になります。例えば、薬局で勤務している2~3人のうち、1人でも相性が合わなかったら、転職して働き始めた次の日から辞めたくなってしまいます。

これが、いわゆるミスマッチです。そうして転職回数が多くなると、あなたにとってマイナスに働きます。雇う側の経営者としては、あなたに長く働いてもらうことを期待しています。そのため、すぐに辞められるのであれば雇い主にとっても不幸な結果に終わります。

急いで転職活動を行うことほど怖いものはありません。求人を出している会社の内容や現状をあまり確認せずに就職を決めてしまうことになるからです。

そこで就職先を決めるとき、必ず実際に働く求人先の現場を自分の目で確認するようにしましょう。この目で現場を見て、一緒に働く人と顔を合わせれば、薬局や病院の雰囲気が伝わってきます。

例えば、良さそうな薬局では勤務している薬剤師の雰囲気がいいです。短い店舗見学の時間ですべてを判断するのは無理ですが、中で働く人が良いかどうかは実際に会話を交わしてみれば判断できるようになります。

薬剤師の転職理由の上位には、必ず「人間関係」が入ってきます。そのため、働く職場の雰囲気を見極める時間が必須になってきます。何月に転職したいのかあらかじめ決めた後、ある程度の転職活動期間を設け、店舗見学まで含めて実施するのが転職成功のコツです。

なお、転職サイトを利用して活動を開始するとき、店舗見学のときは「電話だけのやり取りで終わる転職サイト」と「キャリアコンサルタントが面接同行まで実施してくれる転職サイト」の2パターンがあります。

こうした特徴を見極め、あなたの相性に合う転職サイトを利用することで、担当者と連絡を取りながら求人を紹介してもらうようにしましょう。

転職先を決める期間の目安を知る

なお、焦らずに転職活動を進めるためには、「他の薬剤師がどれくらいの期間で新たな就職先を見つけているのか」に関する目安を知らなければいけません。

このとき、転職で成功する薬剤師の多くは2週間から1ヵ月ほどで新たな就職先を決めています。2週間以上の転職活動期間を設ける理由としては、ある程度の転職活動の期間を設けることを考えたとき、これくらいの時間がどうしても必要になるからです。

もちろんどれだけの期間で就職先が決まるのかについては、薬剤師の希望やペースによって異なります。

実際、転職時は平均して3~5社ほど薬局面接(人によっては病院や企業)を受ける人が多いです。こうした数の面接を受け、その中から最適な職場を選ぶようにします。

ただ、いずれにしも求人を提示されて3日や1週間ほどで就職する求人先を決めるのは早すぎであり、ミスマッチの危険性が高まります。そうしたことをすべて考慮すると、多くの人が2週間から1ヵ月ほどでの転職先を決定するようになるのです。

・最初の求人を断りまくり、転職期間が無駄に長くなるのは問題

なお、最初に提示される求人を断りまくった結果、転職活動が長くなりすぎるのも問題です。

当然ですが、キャリアコンサルタントは良い求人をあなたに紹介したいと考えています。そのため、最初に提示される求人であるほど、給料や待遇の面で優れた求人案件の確率が高いです。転職活動が長くなるほど、家から遠い求人(通勤時間のかかる職場)や年収の低い求人しかなくなるなど、条件が悪くなっていきます。

もちろん、優れた求人は後から出されることも多くなるため、3ヵ月や半年などある程度先まで待つことができるのなら問題ありません。ただ、1ヵ月後には転職したいなど時期が決まっている場合、最初のほうの求人を断りまくるのは適切ではありません。

こうした「転職活動をするときの適切な期間」を理解したうえで、失敗しない転職活動を進める必要があります。

求人を見極め、働く現場を必ず確認しましょう。さらには転職活動に必要な期間を見定め、良い職場で働き始めることが薬剤師の転職で重要になります。

いまの職場に迷惑がかからないように退職する

このように自分自身がどの時期に辞めるようにするのか考えるのは非常に重要です。ただ、同じようにいまの職場に迷惑がかからないように退職することも大切になります。当然ですが、円満退職を実現できるようにしましょう。

このとき、以下のことを意識することがあります。

  • 遅くても1ヵ月前には辞意を伝える
  • 繁忙期を避ける

それぞれについて確認していきます。

・遅くても1ヵ月前には辞意を伝える

法律的には、2週間前に辞めたいことを伝えれば問題なく退職できるようになっています。ただ、職場にとってみると2週間前では急すぎます。代わりの薬剤師を採用しなければいけませんし、仕事の引き継ぎも考えなければいけません。

退職までに猶予期間がない場合、円満退職とはなりません。そのため、どれだけ遅くても退職時期の1ヵ月前には辞意を伝えるようにしましょう。

できれば、3ヵ月前には辞職を伝えるのが無難です。私の場合も最初の会社を辞めるときは3ヵ月前に当時の薬事部長へ伝えましたが、新卒入社の薬剤師に引継ぎをした後に問題なく退職したわけです。

もちろん、人によって退職理由は異なります。「ボーナス支給後の年末に辞め、1~3月の求人が多くなる中で適切な募集へ応募したい」「想像以上に育児が大変だったため、育休後に退職して中途採用でパート薬剤師をしたい」など理由はバラバラですが、いずれにしても早めに退職を伝えるようにしましょう。

・繁忙期を避ける

また、仕事の繁忙期を避けるのも必要です。たとえ繁忙期であっても、3ヵ月ほど前から伝えているのであれば、繁忙期に向けて新たな薬剤師を中途採用するなど職場は準備できます。ただ、1ヵ月前に退職を伝えるにしても、それが繁忙期だと職場は非常に大変です。

一般的にインフルエンザや風邪などが流行る冬の季節に薬局は繁忙期を迎えやすいです。特に小児科だと粉薬や水剤を含め面倒な調剤が多くなり、耳鼻科でも花粉症患者であふれかえるようになります。

そのため、可能なら繁忙期の退職は避けた方がいいです。また、どうしても繁忙期に辞めたいのであれば、先に述べた通り3ヵ月前など早めにいまの職場へ伝えるといいです。

適した季節やタイミングを見定め、失敗しないようにする

ここまで、薬剤師が理解すべき転職の時期やベストなタイミングについて考えてきました。季節によって求人の数は異なりますが、人によって適切な転職のタイミングは異なります。冷静にいまの職場を見定めたうえで、早めに良い求人を探すようにしましょう。

ただ、スピード転職をするのは危険です。もっといえば、求人票だけで転職先を判断しないようにしましょう。転職で失敗してしまっては、何のために職場を変えたのか分からなくなります。

そうはいっても、転職活動が長くなりすぎるのも問題です。「いつまでに求人を探す」などのように期限を決めて転職活動を開始すると、良い求人に巡り合うようになります。

このとき、全体的にいえることですが、転職市場では若い人であるほど価値が高いです。そのため、あなたが転職をする上で、高年収や良い勤務条件などを引き出せる最も良いタイミングは「いま」だといえます。

この事実を認識した上で、いまの職場で勤め続けることに不満を感じており、それを転職によってしか解決できない場合、転職活動を開始するようにしましょう。このときは複数の転職サイトへ登録したり、事前準備をしたりして求人を探し、最適な求人を探すといいです。


薬剤師が転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。自分一人では、頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や薬局、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「電話だけの対応を行う ⇔ 必ず薬剤師と面談を行い、面接同行も行う」「大手企業に強みがある ⇔ 地方の中小薬局とのつながりが強い」「スピード重視で多くの求人を紹介できる ⇔ 薬剤師へのヒアリングを重視して、最適な条件を個別に案内する」などの違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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薬剤師求人の中でも、「どこにも載っていない難しい案件」を探すことに特化した、オーダーメイド求人の発掘を行っているファーマキャリアさまへ取材しました。

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