医療の大きなカテゴリーとして産婦人科があります。女性ならではの病気であったり、子供を産んだりするとき、産婦人科が大きく関わるようになります。

薬剤師として転職し、働くことを考えたときに産婦人科を目指す人も中にはいます。ただ、産婦人科への転職では特有の注意点があるため、薬剤師が産婦人科病院や門前薬局へ転職するときは事前に理解するべきことが存在します。

それでは、どのように考えて薬剤師は産婦人科の職場へ転職すればいいのでしょうか。ここでは、産婦人科へ転職するときの注意点について解説していきます。

男性は産婦人科への転職を避けるのが大原則

まず、産婦人科への転職が不適当な薬剤師がいます。どのような人かというと、男性薬剤師です。もちろん、中には産婦人科で勤務する男性薬剤師は存在します。ただ、他の科目で勤務するときに比べて仕事しにくくなるのが一般的です。

産婦人科領域の場合、女性特有の悩みを抱えた患者さんが来院するようになります。以下のような疾患です。

  • 膣カンジダを発症した
  • 不妊治療で来院した
  • 生理痛がひどい

男性であると、女性特有の悩みが分かりません。また、基本的に女性は男性に対して自分の症状を伝えるのを嫌がります。

もし、薬局内で「カンジダでの来院で良かったですよね」「不妊治療はその後、どうでしょうか」「おりものの様子は問題ないですか」などのようなことを聞くと、患者さんからイラッとされます。「なぜ他の患者さんがいる中で、さらには男性に対して自分の症状を伝えなければいけないのだ」と思われるからです。

女性薬剤師でさえ、婦人科領域で来院される患者さんへの服薬指導は気を使います。これが男性になると、より歓迎されません。そのため、男性薬剤師は産婦人科病院や門前薬局を避けるのが大原則になります。

もちろん、産婦人科医には男性医師がたくさんいます。ただ、診察室の中で自分の病気を本気で治療するためであれば、医師が男性であっても問題ありません。一方で、薬局内で薬を受け取るとなると、男性薬剤師は敬遠される存在になることは認識する必要があります。

メインは産婦人科門前の調剤薬局・ドラッグストア

それでは、産科や婦人科ではどのような求人が出されるのでしょうか。これについては、当然ながら調剤薬局やドラッグストアがメインになります。

産婦人科病院やレディースクリニックの前に薬局が存在することは多いです。そのため、こうした調剤薬局やドラッグストアで処方せんを受け付けるようになるのです。

例えば、以下は婦人科門前にある調剤薬局から出された中途採用の求人です。

一般的に産科では薬がほとんど処方されません。子供を産むために産科病院に来る女性については、定期検診などのために来院する人がほとんどです。また、お腹の中に赤ちゃんがいるので積極的に内服薬を飲むことはしません。

一方で婦人科であれば、女性に対して薬が処方されます。女性特有の病気を治すため、婦人科の前にある薬局では多くの処方せんを受け取るようになるのです。

産婦人科に関わる薬剤師として活躍したいのであれば、一般的にはこうした調剤薬局やドラッグストアになると考えましょう。

産婦人科病院・産婦人科病棟で薬剤師をすることは可能

それでは、産婦人科病棟で薬剤師業務をすることはないのかというと、当然ながらそのようなことはありません。産婦人科病院は世の中にいくつも存在しており、当然ながらそうした病院では薬を使うため、薬剤師の募集があります。

産婦人科病院で勤務する薬剤師については、他の病院薬剤師に比べると業務内容が少ないです。産科であれば、入院する患者さんの大多数が子供を産むためです。このとき薬を服用することはあるかもしれませんが、実際のところほとんどありません。

また、婦人科だと乳がんなどのがん患者が多くなります。この場合については病院薬剤師として活躍する機会が多くなります。ただ、産婦人科病棟へ入院する人の大多数がお産のためであるため、どうしても仕事内容は一般的な病院薬剤師に比べると少なくなると考えましょう。

そのため、正社員ではなくパート薬剤師の求人が多く、当然ながら夜勤なしとなっているのが産婦人科病院の薬剤師求人の特徴です。ただ、中には正社員での求人も存在します。例えば、以下は埼玉にある産婦人科病院から出された常勤募集です。

求人票には当直なしとあり、病院薬剤師ではあるものの無理な勤務方法をしなくても問題ないことが分かります。

産科で薬をほとんど使用しないため、病院薬剤師の中でも比較的ゆったりと勤務することを考えている女性薬剤師であれば、こうした産婦人科病棟を目指すのも問題ないです。

産婦人科クリニックの薬剤師も可能

なお、場合によっては産婦人科クリニックから薬剤師求人が出されるようになることがあります。

クリニック求人は珍しいです。ただ、婦人科領域だとクリニックで薬剤師が求められるようになることがわりと多いです。例えば、以下は産婦人科クリニックでの常勤薬剤師の募集になります。

クリニックであっても、お産に対応している産婦人科クリニックは存在します。つまり、入院施設を備えているクリニックになります。クリニック求人は珍しいですが、3人以上の医師が勤務するクリニックだと薬剤師を置かなければいけないという基準があるため、結果としてクリニックから薬剤師の求人募集が出されているのです。

こうしたクリニックだと、産婦人科病院で働く薬剤師とほぼ同じ業務内容になると考えればいいです。この場合も同じようにお産では薬を活用することがほぼないため、他のクリニック薬剤師に比べると仕事内容は少なくなりがちです。

年収・給料は病院やクリニックだと低め

こうした産婦人科に関わる薬剤師として転職することを考えたとき、調剤薬局やドラッグストアで働く薬剤師だと収入は一般的です。東京や大阪など、都市部にある中小薬局であれば年収450万円が一般的になり、これと同程度の給料を実現できます。

つまり、産婦人科の門前薬局で働く薬剤師であれば、内科など他の科目で働く薬剤師と比較して特に収入の差はないと考えて問題ありません。

しかし、当然ながらこれが病院やクリニックでの勤務になると年収はそれなりに下がります。

産婦人科の場合、大病院であることは少ないです。薬剤師では急性期の総合病院になるほど残業が多く、給料は低くなります。ただ、一般的なお産を受け付ける専門病院やクリニックで大病院のケースは少なく、病院薬剤師の中では収入は高めになります。

ただ、それでも年収370~400万円ほどになると考えればいいです。病院薬剤師の中では高めですが、調剤薬局・ドラッグストアほどの収入を実現することはできません。例えば、以下は大阪にある産婦人科クリニックから出された中途採用の求人です。

100%院外処方のクリニックですが、薬剤師を募集しています。このとき、ここにある通り年収は368万円からのスタートになります。大病院の薬剤師よりはいいですが、薬局薬剤師のような高い給料を実現することはできません。

このクリニックの場合、19床ほどの入院施設が存在しており、それなりに規模の大きいクリニックであることが分かります。そのため、薬剤師を採用する必要があります。

パート薬剤師で産婦人科を目指す方法もある

ただ、パート・アルバイトであれば調剤薬局であっても産婦人科病院であっても、時給2,000円以上を実現することができます。

薬局薬剤師であると、処方せんをもとに薬のピッキング作業を行い、監査・投薬するのがメインの仕事になります。どの薬局で働いたとしても基本的な業務内容は同じです。

一方で病院やクリニックの薬剤師であれば、病棟業務を含めそこでしか経験できない業務がたくさんあります。正社員だと収入が非常に低くなるのでためらってしまいますが、パートだと薬局と同じように時給2,000円以上となるため待遇は同じです。

例えば、以下は大阪にある産婦人科病院から出されたパート募集です。

時給2,200円以上であり、パート・アルバイトの中ではわりと条件がいいです。未経験やブランクのある女性薬剤師を含め、誰でも応募できる病院薬剤師のパート求人となっています。

産婦人科でのパートを考える場合、調剤薬局でもいいですが、こうした病院やクリニックの求人募集へ応募することを考えても問題ありません。

派遣勤務で高い時給を実現できる

このとき、派遣求人を検討する方法もあります。派遣薬剤師であれば、時給3,000円以上が普通になります。

産婦人科の専門病院やクリニックは中小であることが多いため、さすがにこうした医療機関から派遣求人が出されることはありません。また、一般的に派遣は即戦力を求めるため、こうしたことも産婦人科病棟に関わる派遣求人が出ない理由です。

一方で調剤薬局であれば、高額派遣の求人が出されるようになります。このときはどれだけ低くても時給2,700円ですし、時給3,000円以上の募集を探して応募できるケースはたくさんあります。

例えば、以下は愛知にある調剤薬局から出された高額派遣の募集になります。

お産が可能な産婦人科病院・クリニックでは、産婦人科と小児科が一緒になっていることが多く、この調剤薬局でも「小児科と産婦人科の処方せんを受け付ける」とあります。

急募の薬剤師求人であるため、時給4,000円とかなり高額です。参考までに、時給4,000円は年収800万円に相当する給料となります。そのため、派遣薬剤師として勤務することで高い収入を得ても問題ありません。

転職時は産婦人科の志望動機を考える

なお、実際に産婦人科に関わる薬剤師として転職する場合、志望動機を考える必要があります。履歴書でも面接でも、志望動機は必ず聞かれる項目になります。

基本的には女性薬剤師が産婦人科の病院や薬局へ志望することになるため、志望動機は考えやすいはずです。自分の経験をもとにして、志望動機を述べれば問題ありません。

例えば、以下のようになります。

出産や婦人科領域の医療に携わりたいと考え、産婦人科病院を志望しました。

私自身、不妊治療をしていたり、子宮内膜症で悩んでいたりなど婦人科にはお世話になりました。そこで、同じ女性としてこうした患者さんを助けたいと考えています。

病院は未経験ですが、貴院ではパートでも問題なく勤務でき、指導体制も充実していることから病院薬剤師として活躍できるよう頑張りたいと思っております。

このように、それまでの経験から産婦人科での勤務を考えたと述べれば問題ありません。薬局でも病院でも、女性ならではの経験を通して働きたいことを伝えるといいです。

求人数が少なく、転職サイトの利用は必須

調剤薬局であっても、病院・クリニックであっても、薬剤師の求人募集が存在するのが産婦人科の特徴です。

それでは、こうした産婦人科の薬剤師として活躍するとき、どのように転職活動を進めていけばいいのでしょうか。自ら求人を調べて応募するのは現実的ではありません。また、どこに産婦人科の求人が転がっているのかも分かりません。

そこでほとんどの薬剤師が転職サイトを活用します。転職エージェントであれば、求人を探せば産婦人科領域の募集を見つけることができます。

ただ、一つだけ問題点があります。それは、「産婦人科の求人は意外と少ない」ことです。内科や小児科、皮膚科などの求人だといくらでも案件がありますが、産婦人科になると希少案件になるのです。例えば、以下は求人数5万件以上の転職サイトを活用して検索したときの結果です。

「産婦人科」で検索したとき、日本全国で54件だけとなります。このように、全体の求人数は非常に少なくなります。

この中にある求人としては、どうしても調剤薬局やドラッグストアの募集割合が高くなります。そのため、病院やクリニックを考えている場合はさらに求人数が少なくなると考えましょう。

薬局であっても産婦人科門前の求人が少ないことから、産婦人科の中途採用へ応募することを考えている場合、1つだけの転職サイトでは少ないです。3社以上の転職サイトを活用しなければ、そもそもあなたの家の近くにある産婦人科求人を見つけることができません。

多くの求人から選択することが転職で成功するために必要です。複数の転職サイトを利用することにより、産婦人科の求人数を増やしながら優れた募集を見つけるようにしましょう。

中途採用の募集で産婦人科へ応募する

薬剤師が働くとき、科目は重要です。こうした科目の一つに産婦人科があります。産婦人科を受診する患者さんは多く、当然ながらそうした処方せんをメインで取り扱う薬剤師求人も存在します。

このとき、メインは調剤薬局やドラッグストアでの募集になります。ただ薬局に限らず、産婦人科病院やクリニックの求人も出されます。クリニック求人は珍しいですが、産婦人科ではお産を取り扱うために有床クリニックであることが多く、大きめのクリニックであれば薬剤師の求人が出されるのです。

正社員(常勤)であれば、収入は圧倒的に調剤薬局のほうが優れています。ただ、パート薬剤師であれば薬局でも病院でもそこまで時給は変わりません。

また、産婦人科であれば病院勤務であってもそこまで忙しいわけではないです。特に産科の場合、頻繁に薬は処方されません。そのため、こうした病院やクリニックで働くことでゆったりと仕事をすることができます。

産婦人科ではこうした特徴があります。男性薬剤師には向いていませんが、女性薬剤師であればこうした求人に応募して勤務することを検討してみましょう。


薬剤師転職で失敗しないために必要な理想の求人・転職先の探し方とは!

薬剤師が転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。自分一人では、頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や薬局、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「電話だけの対応を行う ⇔ 必ず薬剤師と面談を行い、面接同行も行う」「大手企業に強みがある ⇔ 地方の中小薬局とのつながりが強い」「スピード重視で多くの求人を紹介できる ⇔ 薬剤師へのヒアリングを重視して、最適な条件を個別に案内する」などの違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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派遣薬剤師は給料が正社員よりも高く、時給3,000円以上も普通です。さらには3ヵ月や半年だけでなく、1日などスポット派遣も可能です。「自由に働きたい」「多くの職場を経験したい」「今月、もう少し稼ぎたい」などのときにお勧めです。

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