一般的に薬剤師は女性が多いです。ただ、薬局や病院で働く薬剤師としては男性の人もたくさんいます。看護師にようにほとんどが女性というわけではなく、男性薬剤師はたくさんいます。

割合でいうと「男性:女性=4:6」くらいになっています(厚生労働省の統計データより)。全体の4割が男性薬剤師であり、薬剤師が男性であること自体は珍しくありません。

ただ、男性だからこそ考えなければいけないことがあります。女性であれば育児・出産などで転職を考えますが、男性では年収やキャリア(昇進がない)、人間関係などの問題によって転職を考える人が多いです。

また男性薬剤師であるからこそ、働きづらいと感じてしまう場面もあります。そこで、男性薬剤師がどのようにして中途採用の求人を見つけ、最適な職場へ就職すればいいのか解説していきます。

男性薬剤師が転職するのは一般的

女性薬剤師であれば、結婚や妊娠・出産などのよって転職するのは普通です。同じ職場でずっと働き続ける方が珍しいです。それでは男性はどうかというと、同じように転職を考える人はたくさんいます。これは、薬剤師ならではの問題があるからです。

例えば中小薬局で勤務する場合、同じ薬局に勤めていると年収は頭打ちになります。また、中小薬局であれば管理薬剤師が一番上のポストであり、それ以上の昇進がないことはよく起こります。病院薬剤師であっても、同じ病院には薬剤部長は一人しか就くことができませんし、さらには給料が低いです。

一般的な会社であれば、それぞれの部署にポストが用意されていて問題なく昇進できますし、収入も年を追うごとに増えていきます。ただ、薬剤師ではそのようにならないのです。企業に勤める薬剤師には存在しない、調剤薬局やドラッグストア、病院ならではの悩みや不満があるのです。

このとき、どのようなことが原因で男性薬剤師が転職を考えるかというと、主な理由としては以下のようなものがげられます。

  • 頑張っても年収・給料が上がらない
  • キャリアアップ(昇進)を見込めない
  • 仕事が単調でつまらない
  • 女性特有の人間関係に巻き込まれる

それぞれについて確認していきます。

業務量や残業量に応じて年収・給料が上がらない

男性薬剤師にとって特に重大な問題が収入です。当然、同じように仕事をするのであれば努力を認めてもらい、高い給料を得る方が優れています。しかし、業務量や残業量がたくさんあるにも関わらず、収入に反映されないことはよく起こります。

一般的に薬局は最初の年収が高いものの、その後は給料が一律で昇給がほぼありません。これが病院だとさらに勤務条件が悪くなり、非常に低い給料であるものの10年くらい頑張って勤務しても年収がほとんど変わらないのは普通です。

一般企業とは異なり、調剤薬局やドラッグストア、病院はどこもほとんど収入が上昇せず、どれだけ業務量が多くてサービス残業をこなしたとしても評価されることはないのです。

そのため、年収アップを目的として転職する男性薬剤師は多いです。

最も分かりやすいのは、病院薬剤師や大手調剤チェーンの薬剤師です。こうした人たちは非常に低い給料のため、中小薬局へ転職するだけで年収が150万円以上も上昇するのは普通です。例えば、以下は東京にある大手チェーン薬局の店舗での募集です。

このように、年収360万円からのスタートです。病院薬剤師についても同じように低い給料となります。

一方でこれが中小薬局であると、先ほどと同じ東京(千代田区)の求人であっても以下のように年収500万円以上になることは普通にあります。

この案件については調剤経験者での募集ですが、このように高い年収となっています。もちろん、やり方によっては年収600万円や年収700万円などを目指すことも可能です。

同じ職場で頑張り続けたとしても、残念ながら給料を上げるのが非常に難しいのが薬剤師です。そのため、頑張りに応じてきちんと評価してくれて、年収に反映してくれる薬局を目指す男性薬剤師はたくさんいます。

薬局・病院でキャリアアップ(昇進)を見込めない

また、収入が増えないことにも関係していますが、キャリアップを目指そうとしても昇進を見込めない職場はたくさんあります。

例えば個人薬局や2~3店舗ほど運営している中小薬局であれば、管理薬剤師以上のポストがありません。一番上には社長がいて、あとはすべて平社員となるからです。また、それなりの店舗数がある調剤薬局やドラッグストアであったとしても、昇進まで何年も時間がかかる職場は非常に多いです。

これは病院も同様であり、マネージャー職になるにはポストが空かなければいけません。しかし、そうしたポストが既に埋まっていることの方が多いです。

こうしたとき、同じ職場でどれだけ活躍してもキャリアアップを図ることはできません。しかし、昇進は同じ職場だけで可能なわけではなく、転職によっても実現できます。

特に仕事をたくさんこなせる男性薬剤師であるほど、上の役職に就くことで認めてもらいたいと考えます。そうしたとき、転職によってエリアマネージャーとして活躍できたり、将来の幹部候補(役員候補)として入社したりすることが可能です。

例えば、以下は神戸(兵庫)にある調剤薬局から出されたエリアマネージャーの求人募集です。

中途採用とはいっても、管理薬剤師としてだけで募集が出されるわけではありません。このように、何店舗もの薬局を束ねる求人についても問題なく提示されるのです。

また、こうしたエリアマネージャーの求人が存在するということは、将来の幹部候補に関する求人も出されることを意味しています。例えば、以下は大阪にある調剤薬局から出された幹部候補の中途採用求人です。

年収600万円以上は確定の求人であり、こうした薬局で頑張ることで将来の役員として会社経営に携わることも可能です。

薬剤師の場合、一般企業のように「40代や50代以上でなければ、役員として経営に関わることができない」などはありません。実際、私の友人の薬剤師(男性)は非常に勉強熱心で優秀だったのですが、26歳のときには管理薬剤師を行い、31歳では既に会社経営に携わっていました。彼は都市部で働く薬剤師でしたが若くして年収700万円ほどです。

同じ職場で活躍しても現状維持で何も変わらない場合、転職によって上のポストへ就職することを考える男性薬剤師は非常にたくさんいるのです。

調剤薬局やドラッグストアの仕事が単調でつまらない

また、このように上を目指すわけではなくても、いまの仕事が単調でつまらないと感じ、やりがいを求めて転職する男性薬剤師も多いです。

急性期の病院薬剤師であれば、業務内容が日々変わっていくので大変ですが、やりがいはあります。一方で調剤薬局やドラッグストアの薬剤師であると、毎日同じ作業を続けることになります。処方せんをもとに調剤し、患者さんに投薬を繰り返すのが仕事内容になります。

そのため、就職して1年も経たないうちに仕事内容に飽きてしまうケースはよくあります。そうしたとき、仕事に刺激を求めて新たな転職先を考えます。

確かに、一般的な調剤薬局やドラッグストアだとルーチンワークになりがちです。これについては、薬剤師の仕事がそのような仕組みになっている以上は諦めるしかありません。ただ、薬局によっては刺激があって楽しく仕事ができる職場も存在します。

例えば在宅専門の薬局であれば、患者さんの家に出向いて服薬指導することになります。このときは医師や看護師などと連携してチーム医療を提供します。薬局によっては無菌調剤が可能なこともあり、こうした薬局であれば病院薬剤師と同じように刺激のある業務内容になります。

例えば、以下は横浜(神奈川)にある在宅メインの調剤薬局から出された求人であり、無菌調剤室も整備しています。

管理薬剤師での募集であり、年収は550万円以上と高めです。こうした職場で勤務し、刺激ある職場で働いても問題ありません。

また、他にも本格的な漢方を含めて勉強できる薬局を目指してもいいし、学校薬剤師や地域住民へのセミナーなど地域に根付いた活動をしている薬局への転職を検討しても問題ありません。いずれにしても、ただ調剤作業をするのではなく「より患者さんと密接に関われる薬局」だと、やりがいが大きくなります。

大手チェーン薬局を含め、儲け重視の薬局ではどうしても短時間で多くの患者さんをさばくことに意識が向きがちです。そこで密に患者さんと関われる薬局へ転職し、刺激があって多くのことを学べる職場へ転職するのです。

女性特有の人間関係を解消したい

また、男性薬剤師では人間関係の板挟みにあうことがあります。基本的に男性同士で劣悪ないじめが起こることはありません。私も男性ですが、男性同士で派閥を形成していがみ合うことはないのです。一方で女性では人間関係が複雑になります。

当然、同僚に男性薬剤師が何人もいる店舗で働いているのであれば、男性は特に気にすることなく傍観者の一人として女性同士の争いを見ていれば問題ありません。ただ、薬局内に男性が非常に少ない状況の場合、自分の居場所が少ないと感じてしまうことがあります。

また、女性同士の人間関係がエスカレートしてくると、男性薬剤師も被害に遭遇することがあります。

女性の多い職場で働く男性薬剤師が共通して述べることとしては、「同じ男性薬剤師と一緒に仕事をしたい」ことがあげられます。もちろん美人で若い同僚女性が職場にいればテンションは上がるかもしれませんが、仕事のやりやすさで考えると男性薬剤師のと一緒のほうが圧倒的に優れているのです。

そうしたとき、転職時は同性の薬剤師がどれだけ在籍しているのかを含めて転職先を確認するといいです。例えば、以下の求人では男性薬剤師が多めとなっています。

常時4人体制の調剤薬局ですが、男性が多めなので女性特有の複雑な人間関係に悩まされることは少ないです。人間関係の問題は女性が原因のことが多いので、こうした職場を検討しても問題ありません。

・婦人科に関わる薬局は避ける

なお、男性薬剤師では職場同士の人間関係だけが問題になるのではありません。患者さんとの人間関係も重要です。そうしたとき、婦人科領域に関わる薬局は避けるのが基本です。

婦人科の場合、女性特有のデリケートな問題を取り扱うことになります。医師であれば、患者さんは自分の病気や不妊などの問題を本気で解決しようとするため、積極的に話してくれます。しかし、同じことを男性の薬剤師に対して繰り返し説明することを嫌う女性患者さんは非常に多いです。

そのため患者さんとの人間関係という意味では、男性薬剤師は婦人科領域がメインとなる調剤薬局やドラッグストアの求人を避けるようにしましょう。

男性でパート・アルバイトは恥ずかしいのか

なお、中には正社員ではなく男性ではあってもパート・アルバイトを希望する人もいます。一般的にパート薬剤師は女性がするものです。そのため、男性薬剤師でパート・アルバイトをするのは恥ずかしいのではと考えてしまいます。

しかし現実には、男性薬剤師でパート勤務をしている人はそれなりにいます。もちろん数が非常に多いわけではないですが、男性であってもパート・アルバイトは普通なのです。

  • 音楽活動やスポーツ活動など、他に夢があってアルバイトをしたい
  • 親の介護など、勤務時間の制限があるのでパート勤務がいい
  • 大学に入り直すため、アルバイトをしたい

人によって事情は大きく異なりますが、こうした理由によってパート・アルバイトとして活躍する男性薬剤師はいます。

なお、パート・アルバイトは最初だと時給2,000円からスタートするのが一般的です。このとき、もし週4日(1日8時間)で勤務すると以下のような月収になります。

  • 時給2,000円 × 1日8時間 × 月16日(週4日) = 25万6,000円

このように、下手に病院薬剤師の正社員(常勤)で勤務するよりも給料は高くなります。もちろん、時給2,000円は一番下なので、調剤経験がある場合は時給2,500円以上からが普通になります。そのため、男性のパート勤務だとしてもある程度の時間を働けば問題なく収入を確保できます。

・ダブルワークでのバイトなら一般的

なお、パート・アルバイトとして調剤薬局やドラッグストア、病院などで働くとはいっても、ダブルワーク(副業)として薬剤師業務をするのであれば、たくさんの男性薬剤師が実施しています。

一般薬剤師として働きながら、収入を増やすために他の薬局でもバイトするのは普通なのです。

このときは昼に働く普通の薬局バイトがあれば、夜間バイトの案件もあります。正社員として働きながらも、こうしたダブルワークをするのは珍しくないと考えましょう。

男性で派遣社員をするのは多い

ちなみに、パート・アルバイトではなく派遣薬剤師となると、非常に多くの男性薬剤師が実施しています。派遣社員として薬剤師をする場合、非常に時給が高いです。東京や大阪などの都市部であっても時給3,000円以上が普通に提示されます。

正社員よりもはるかに高い給料を実現できるのが派遣社員です。

もちろん、エリアマネージャーや幹部(役員)など重要なポジションを担いたいと考えている人にとっては向いていません。ただ、自由に働くことや、高年収を実現しながらいろんな職場を経験することを考えている薬剤師にとって、派遣社員は最適です。

参考までに、私も薬剤師として派遣を経験したことがあります。1ヵ月ごとの更新だったのですが、大学病院の派遣社員として数ヵ月ほど勤務することになりました。このときは大手転職サイトで知られる薬キャリを利用したのですが、実際に薬キャリから送られてきたメールが以下になります。

ここにある通り、時給3,000円です。そのため、派遣先の大学病院で10年以上も勤務している人より圧倒的に高い収入で働くことになりました。月の給料が以下のようになったからです。

  • 時給3,000円 × 1日8時間 × 月20日(週5日勤務) = 48万円

男性薬剤師が就職先を考えるとき、このように派遣という選択肢もあります。同じ会社で働くことにはならないため、高いポストに就くことはできません。ただ、自由な働き方を実現したい男性薬剤師では、多くの人が派遣をしているという実態があります。

男性特有の悩みを中途採用での就職で解消する

一般企業とは異なり、薬剤師の職場は特殊です。薬局や病院では、どれだけ頑張って会社に貢献しても給料に反映さることは少なく、それでいて残業は非常に多いです。

また、一般企業のように必ずしもたくさんのポストが用意されてあるわけではなく、上の役職が詰まっているためにキャリアアップが難しいケースは多いです。

また、女性の多い職場が薬剤師です。そのため、特に調剤薬局やドラッグストアであれば一つの店舗に男性が一人だけ在籍しており、他は女性ばかりという職場はたくさんあります。そうしたとき、女性特有の人間関係の問題に板挟みになることもあります。

このとき、転職によって問題解決を図る男性薬剤師は多いです。例えば、薬局によっては管理薬剤師に限らず、エリアマネージャーや幹部候補として迎え入れてくれる求人が存在します。他にも、求人を探せば在宅や漢方を含め刺激の多い職場があったり、地域貢献に積極的な調剤薬局があったりします。

女性のように結婚や育児などライフスタイルの変化は少なくても、男性薬剤師ではさらに上を目指したり、刺激を求めたりするために転職する人は多いです。場合によってはパート・アルバイトや派遣をしても問題ありません。

こうした優れた求人は転職サイトに存在するため、複数の転職エージェントを利用しながら中途採用の募集を探しましょう。男性薬剤師としてより活躍できる職場への就職を目指し、求人を探すといいです。


薬剤師が転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。自分一人では、頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や薬局、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「電話だけの対応を行う ⇔ 必ず薬剤師と面談を行い、面接同行も行う」「大手企業に強みがある ⇔ 地方の中小薬局とのつながりが強い」「スピード重視で多くの求人を紹介できる ⇔ 薬剤師へのヒアリングを重視して、最適な条件を個別に案内する」などの違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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