薬剤師だと転職する人が多いです。調剤未経験であっても、どのような年齢の人であっても転職できるのが薬剤師です。

世間一般的には、薬剤師の年収は高めです。医師ほどではないにしても、東京や大阪などの都市部であっても未経験のときから年収450万円以上を実現できるのが薬剤師です。

ただ、そうした薬剤師であっても住宅ローン借り入れのときに「転職直後では審査に通らないのではないか」と心配になることがあります。また、正社員ではなく派遣薬剤師をしている人がいます。派遣は高年収ですが、そうした状態だと審査に落ちやすくなるのでしょうか。

薬の専門家ではありますが、住宅ローンを含めた金融知識について薬剤師は詳しくありません。そこで、転職前に薬剤師が考えるべきローン審査について解説していきます。

年収の5倍が一般的なローン金額の相場

一般的な話をすると、年収の約5倍までが「住宅ローンで借りられる金額になる」といわれています。例えば、薬剤師として働いていて年収500万円であり、配偶者が年収400万円の場合、世帯年収は900万円です。この場合、住宅ローンを4,500万円まで組むことができます。

住宅ローンでは、以下の順番で審査が進んでいくことになります。

  1. 仮審査
  2. 本審査
  3. 契約

このうち、人によっては最初の仮審査で落とされることがあります。どのような点で薬剤師が審査落ちになるかというと、銀行が審査で重視するのは以下のポイントです。

  • 年収や返済計画
  • 職業
  • 他の借り入れや信用情報

それぞれについて確認していきます。

・年収や返済計画

高い年収であると、当然ながらそれだけ審査に通過しやすくなります。また、返済計画がしっかりしていれば落とされにくくなります。

既に述べた通り、「借りる住宅ローンの額が年収の5倍までになっているかどうか」で判断されます。住宅ローンの額が大きくなるほど審査が厳しくなりますが、「年収に対して、借りる額(返済計画)がどうか」を審査で見られます。

・職業

ただ、どれだけ高年収であってもフリーランスだと審査に通りにくくなります。年収が高くても、翌年は稼げなくなる可能性が高いからです。その点、薬剤師という時点で信頼性は非常に高いと考えて問題ありません。

勤続年数も住宅ローンの審査に大きく関わるため、一般的には転職直後だと審査に通過しにくくなります。ただ、薬剤師の場合は転職直後でも問題なく住宅ローン審査に通過します。これは、薬剤師という国家資格による信頼が非常に大きいからなのです。

・他の借り入れや信用情報

しかし、どれだけ年収が高くて薬剤師として勤続年数が長かったとしても、他からの借り入れがあったり、クレジットカードの支払い遅延を何度も起こしていたりすると審査に通過しなくなります。

金融事故があったり、借り入れが多かったりする場合、住宅ローン審査が厳しくなると考えましょう。

薬剤師の審査で落ちるのは転職以外の理由

住宅ローンは8割ほど審査が通るといわれています。ただ、2割の人は落ちます。薬剤師だと審査落ちは非常に少ないですが、それでも落とされる薬剤師は存在します。

それでは、なぜ薬剤師が住宅ローン審査に落とされるのでしょうか。これは、転職が理由ではありません。そもそも、薬剤師業界は非常に転職が活発であることが有名であり、これまで住宅を購入する前であっても多くの薬剤師が直前で転職をしています。

もちろん、転職すると住宅ローンの再審査を受けることはありますが、それでも問題なく通過するのが普通です。実際、あなたの周辺で「薬剤師として転職が原因で住宅ローン審査に落ちた」という話を聞いたことはないと思います。

これは薬剤師という職業の信頼性が非常に高いため、たとえ転職直後で勤続年数が短くても問題なくローン審査に通過するのです。

ただ、中には薬剤師にも関わらず住宅ローン審査に落ちてしまった人がいるのも事実です。この理由は転職ではなく、他に理由があります。その中でも、特に重要なのが「他から借り入れ状況や信用情報の状態」です。これに問題があるため、結果として審査に通過しなくなります。

どのようなケースで審査落ちになるのかについて具体的に確認していきます。

奨学金や車のローンなど、借り入れは先に返済する

あなたは現在、金融機関から借り入れをしていないでしょうか。消費者金融でのキャッシングに限らず、意外と借り入れをしているケースは多いです。

薬剤師で特に多いのは奨学金です。私立大学の場合、6年間ほど通うことで奨学金が1,000万円ほどに膨れ上がるケースは珍しくありません。奨学金は借金と同じです。そのため奨学金の借入額が非常に大きいと、当然ながら住宅ローンの審査で落とされてしまいます。

この場合、家を購入している場合ではありません。奨学金の返済が先です。

特に調剤薬局の場合、たとえ中途採用であっても「奨学金を肩代わりしてくれる薬局」が存在します。こうした薬局で勤務すれば、素早く奨学金の返済が可能になります。自力でこうした薬局を見つけるのは不可能に近いですが、転職サイトを利用すれば奨学金返済サポートのある薬局を紹介してもらえます。

以下のように、薬局ごとにサポート金額や期間が定められています。

また、こうした奨学金に限らず車のローンを組んでいる人もいます。これも借金であり、住宅ローン審査のときに重視されます。いずれにしても、このような借り入れがあると審査に通過しにくくなると考えましょう。

この場合、先に既存の借金を返済してしまわなければいけません。転職によって奨学金の肩代わりをしてくれたり、年収の高い薬局へ転職したりすることで既存のローンを返すなど、手段は何でもいいので借入金をゼロにすることを考えましょう。

クレジットカードの枚数が多い

あまり意識していない人は多いかもしれませんが、クレジットカードの保有枚数が無駄に多いと審査にとってマイナスとなります。

クレジットカードについては、限度額(約2ヵ月の間に利用できる上限金額)を合算した総額を負債として判断するケースが多々あります。

例えば、限度額100万円のクレジットカードを7枚保有している場合、それだけで700万円の負債を抱えていると判断されます。実際には使わないにしても、現実的にはそれだけの金額を利用することが可能だからです。

そのため、保有しているクレジットカードで使っていないものについては住宅ローン審査の前に積極的に解約するといいです。ゴールドカードやプラチナカードなど、以下のようにグレードの高い使わないカードから見直すといいです。

住宅ローン審査の通過を考えるとき、意外と重要になるのがクレジットカードです。無駄に保有枚数が多くないか確かめるといいです。

過去の金融事故で信用情報に傷がある場合、配偶者名義にする

しかし、どれだけ薬剤師として年収が高く、勤続年数が長く、現在借金がなかったとしても問答無用で審査落ちになる人がいます。これは、今までに何度もクレジットカードの支払い遅延を起こしているなど、過去に金融事故を生じて信用情報に傷があるケースです。

クレジットカードの支払い状況や消費者金融の返済など、過去の金融事故はすべてクレジット会社を含め金融機関全体で共有されています。そのため、金融事故のためにクレジットカードなどを新たに作れない状況(ブラックの状況)だと確実に住宅ローンも審査落ちになると考えましょう。

その場合、住宅ローンの名義は配偶者にするといいです。金融事故がない場合、薬剤師は職業として非常に審査に通過しやすいものの、信用情報に傷がある場合は別問題だと考えた方がいいです。

ローン審査に通過しやすくする対策を学ぶ

なお、こうした対応を実施するだけに限らず、薬剤師がローン審査に通過しやすくさせるための対策も存在します。

一般的な対策にはなりますが、以下のような方法が存在します。

・頭金を用意する

最初の頭金が多ければ、その分だけ住宅ローンによって借りる額は少なくなります。そのため、当然ながら審査に通過しやすくなります。

ただ頭金の額が多いと、その分だけまとまったお金を用意しなければいけません。これによって生活が苦しくなっては意味がないため、どれだけの頭金を用意できるのか事前にシミュレーションしてみるといいです。

・借入期間を見直す

ローンを含めた借金返済については、返済期間が短いほど金融機関に支払う利子の額は少なくなります。そのため、特に薬剤師で世帯年収が高い人ほど借入期間を短くして、早期返済を考えようとします。

しかし、返済期間が短いとその分だけ毎月の返す金額が大きくなり、返済が滞ってしまう確率が高くなります。そのため、返済期間を短く設定している人ほど住宅ローンの審査には通過しにくくなります。

こうした状況があるため、短期返済にこだわるのではなく借入期間を長めに設定してみても問題ありません。そうすれば、返済できないリスクが減るので住宅ローン審査に通過しやすくなります。

ただ、「借入期間が長ければいい」というわけではありません。完済時の年齢(すべてのローンを完済したときの年齢)も重要になるため、これについては現在の年齢を考慮しながらローン期間を考えるといいです。

派遣薬剤師でも住宅ローン審査に通過する

こうしたことに注意すれば、薬剤師であればほぼ確実にローン審査に通過します。転職直後であっても、借金や金融事故がなかったりすれば、特別な理由がない限りは問題ないと考えるようにしましょう。

それでは、正社員ではなく派遣薬剤師の状態ではどうなのでしょうか。派遣薬剤師だと、勤務形態をパート・アルバイトと同じように好きなように調整できるので、多くの人が派遣勤務を選択しています。しかも、フルタイムで働けば正社員よりも高年収になります。

しかし、派遣だと住宅ローン審査に通過しないのではと考える人がいます。

これについては、薬剤師資格をもたない普通の派遣社員でも、住宅ローンを組んだ人が世の中には腐るほどいます。これが薬剤師であると、職業の信用度合いが非常に強いので当然のように派遣でも審査に通ると考えるようにしましょう。

住宅ローンの審査で重要なのは「返済できるかどうか」です。そういう意味では、薬剤師は問題ないのです。

一般的に派遣社員だと、同じ職場に3年以上在籍することができません。ただ薬剤師の場合は、調剤スキルさえあればどの薬局や病院でも派遣として高収入で働くことができます。職場が変わっても問題ないため、派遣であっても関係なく審査に通ることになるのです。

もちろん正社員に比べると、派遣というだけで審査基準は高くなります。しかし薬剤師の場合は、派遣であっても何の問題もなくローン審査に通過すると考えましょう。

中途採用求人へ転職しても問題ない

こうしたことを理解すれば、たとえ住宅ローンを組むことを考えていたとしても、「転職をためらう必要はない」ことが分かります。

実際のところ、薬剤師では転職しなければ働き続けることのできない境遇の人も多いです。

  • いまは通勤時間が非常に長く、職場を見直したい
  • 育児に理解のない職場であり、残業も多い
  • 子供を新たに保育園に通わせるが、時間が合わないので別の薬局を考えている

人によって転職理由は異なりますが、こうしたときに転職したとしても、住宅ローンにはそこまで大きな影響はないのです。

ただ、奨学金が多く返済がまだ続いている人を含め、借り入れがある場合は例外として既存借入金の返済を優先するようにしましょう。この場合は奨学金の肩代わりをしてくれたり、年収が高かったりする求人募集へ転職すると、将来住宅ローンを組むときに有利に働きます。

こうしたことを理解したうえで薬剤師が転職し、住宅ローンを組む必要があります。正社員でも派遣でも問題なく審査に通過しますが、過去の借り入れ状況や金融事故の状況には注意するといいです。


薬剤師が転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。自分一人では、頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や薬局、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「電話だけの対応を行う ⇔ 必ず薬剤師と面談を行い、面接同行も行う」「大手企業に強みがある ⇔ 地方の中小薬局とのつながりが強い」「スピード重視で多くの求人を紹介できる ⇔ 薬剤師へのヒアリングを重視して、最適な条件を個別に案内する」などの違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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派遣薬剤師は給料が正社員よりも高く、時給3,000円以上も普通です。さらには3ヵ月や半年だけでなく、1日などスポット派遣も可能です。「自由に働きたい」「多くの職場を経験したい」「今月、もう少し稼ぎたい」などのときにお勧めです。

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