薬剤師をしていると、生活スタイルが大きく変わる出来事に遭遇します。それは、結婚と妊娠・出産です。結婚と妊娠・出産は女性薬剤師だけでなく、男性薬剤師にとっても重要なイベントです。
結婚して環境が変わったり、子育てが必要になったりすると、それまでと同じ働き方を続けるのが難しいケースがあります。そうしたとき、いまの職場で正社員からパート薬剤師に変わったり、転職して職場を変えたりすることがあります。
それでは、他の薬剤師はどのように考えて働き方が大きく変わる場面を乗り越えているのでしょうか。これについて確認していきます。
実は結婚や妊娠・出産のときに転職を考えるのは女性だけではありません。男性薬剤師であっても同様に、いまの職場を見つめなおす人がたくさんいるため、この理由もみていきます。
もくじ
結婚後に薬剤師が退職・転職し、働き方を見直す理由
結婚や妊娠・出産を機に薬剤師が転職を考えるとき、なぜいまの会社を退職して他の会社へ行くことを考えるのでしょうか。これには、当然ながら理由があります。主には、以下のような理由があります。
- 年収・給料が低く生活できない
- 引越しで勤務先が遠く、通勤が大変
- 妊娠報告しても、病院での当直がある
- 育児に理解のある職場で仕事ができない
現状維持するのではなく、早めにこれらの対策を練っていなければ後で後悔することになります。そこで、どのように対処するべきなのかについてより詳しく確認していきます。
年収・給料が低く生活できない
男性であれ女性であれ、結婚すれば自分一人だけの状態から他の人を支えなければいけない立場になります。
このとき、中小の調剤薬局やドラッグストア、一般企業に勤めている薬剤師であれば比較的問題ありません。ただ、大手チェーン薬局や病院薬剤師であると多くの人が「いまの給料で家族を支えていけるのか?」と考えるようになります。
薬局では大手になるほど年収が低くなり、年収400万円を切ることは珍しくありません。例えば、以下は大手調剤薬局チェーンの東京での求人です。
全国1,000店舗以上の薬局チェーンですが、このように年収370万円のスタートです。また、大手では昇給がほぼなく、薬局薬剤師にも関わらず年収400万円ほどで働き続けることもよくあります。もちろん、東京や大阪、名古屋、福岡、横浜などの都市部に限らず、その他の地方でも同じ年収です。
薬剤師では大手ほど待遇が悪くなります。ただ中小薬局なら、東京や大阪でも調剤未経験でも年収450万円が普通です。大手チェーン薬局では収入に対して不満を持ちやすいのです。
他にも、病院薬剤師では忙しいわりに収入が低いです。特に20代や30代前半であると、中規模病院や大病院であれば年収300~350万円ほどです。大手チェーン薬局よりも給料は低く、さらには10年ほど勤務してもほぼ収入が変わりません。
例えば、以下は大阪の総合病院ですが、年収は314万円からです。
これが、病院薬剤師の現実です。月収24万円以下なのは普通であり、この場合の手取り額は約19万円です。ここから家賃や食費を支払うため、当然ながら2人で生活するのは無理です。子供が加わるとなると、生活どころではありません。
ただ、転職して調剤薬局などで働き始めるとなると、たとえ東京や大阪などの都市部であっても無条件で年収は50~100万円ほどアップします。
世の中きれいごとだけではないため、お金のあるほうが結婚生活はうまくいきます。例えば、子供が欲しい場合、準備金を貯めなければいけません。私も子供がいるわけですが、参考までに以下は私の家に第一子が増えたときにかかった出産費用です。
このように、ほぼ100万円(正確には99万5,892円)です。このときは帝王切開を含めいろいろ医療行為が上乗せされることになったため、結果としてこれだけの費用がかかりました。出産育児一時金が支給されるとはいっても、現実にはその一時金以上の金額が必要になるのです。
妊娠・出産では全額自費になるため、これだけの負担がのしかかるようになります。
そこで転職を考えます。職場を変えるだけで給料が上がり、生活をする上での負担を軽減できるので、大手チェーン薬局での勤務や病院薬剤師であるほど、いまの年収や働き方を見つめ直すようになります。
引越しで勤務先が遠く、通勤が大変
他にも、通勤時間の問題もあります。一人暮らしであると、どこに住んでも文句をいわれることなく気軽です。ただ、結婚するとなると相手がいます。そのため、相手と話し合ったうえで住む場所を決めなければいけません。
私も結婚をしたとき、それまで1LDKだった部屋から2LDKの賃貸マンションへ引越しをすることになりました。実際の引越しでは、以下のようにサカイ引越センターへ依頼しました。
このとき、引越しに伴って勤務先が遠くなり、通勤に多くの時間を費やすようになったりすることがあります
例えば大病院に勤めていて独身寮に住んでいた人であれば、職員宿舎から出ていかなければいけません。調剤薬局やドラッグストア、一般企業に勤めていた人であっても、引っ越しによって通勤時間が大幅に増えることはよくあります。
また、女性薬剤師であれば妊娠・出産というイベントがあります。このとき、妊婦でつわりがひどいにも関わらず、何時間も通勤時間があるのは身体に負担がかかります。
調剤薬局などでチェーン展開しており、すぐに家から近い職場に異動させてもらえるのであれば問題ありません。ただ、そのようにスムーズに話が進むことはほぼないため、負担を考えて家から近い職場の求人を探し、結婚後(または結婚前)に転職を検討するのです。
妊娠報告しても、病院での当直が存在する
また、女性の病院薬剤師で子供を望む人だと薬局薬剤師へ早めに転職する人は多いです。総合病院だと当直・夜勤があるからです。当然ながら、当直があると体に大きな負担がかかります。お腹にいる子供にも悪影響が大きいです。
妊娠の報告をして夜勤免除になるなら問題ないですが、薬剤師の人数が足りていない職場だと関係なく当直を強いられることがあります。
ストレスの大きい中で働き続けると、流産を含め後で大変な事態に陥る可能性が高いです。体に無理な負担がかからないようにするため、事前に最適な職場を見つけるようにするのです。
育児に理解のある職場でないため、仕事ができない
また、女性であればいまの職場が育児に対して理解があるかどうかが非常に重要になってきます。将来、妊娠・出産を考えている場合、結婚した段階からこうした将来のことまで見据えなければいけません。
たとえ結婚していたとしても、子供がいなければいつも通り正社員での働き方を続けられるケースが多いです。ただ、ここに妊娠・出産が加わると同じように仕事を継続することができなくなります。
そうしたときはたとえパート勤務であっても育児に理解のある薬局や病院でなければ非常に働きづらくなります。
例えば、子供が急に熱を出して仕事を休まなければいけないかもしれません。土曜日に保育園で子供の発表会があるため、出席する必要が出てくることもあります。
ただ、たとえ薬剤師であっても育児をしやすい職場は少ないです。
そこで、本当にこの職場で働き続けても問題ないのかについて、周りの薬剤師の様子を見ながら確認するようにしましょう。
パート・派遣でも早期転職すれば産休・育休を利用できる
なお、結婚時は多くの人が将来の子供について考えることになります。このとき、結婚前(または結婚後)から理解しておくべき制度が産休と育休です。
これらの制度がどのような現状になっているのかを認識しておかないと、あまり休みを取れなかったり、収入が途絶えて生活が苦しくなったりしてしまいます。
もちろん男性薬剤師であっても、奥さんの産休・育休の制度について知ることは非常に重要です。
・出産育児一時金と産休について理解する
まず、産休はいつから取得可能になるのでしょうか。産休には「産前休業」と「産後休業」の2つがあります。
妊婦さんが出産する前に取得できる休みが産前休業です。出産予定日の6週間前から取得できる休みです。ただ、双子や三つ子などの多胎妊娠では母体への影響が大きいという理由で産前休業は14週間になります。
そして、妊娠・出産後に取得できる休みが産後休業です。出産後、8週間は産休を取ることができます。これについては、「事業主は、産後8週間は働かせることができない」と法律で定められています。ただし、本人の希望があって医師が問題ないと判断した場合、産後6週間での復帰が可能です。
・出産育児一時金
このとき出産時に受け取ることができるお金として、出産育児一時金があります。社会保険であっても、国民健康保険(国保)であっても出産育児一時金では、一人の赤ちゃんにつき42万円が支払われます。
双子や三つ子の場合、その人数に応じて2倍、3倍と増えます。なお、一回の出産にかかる費用は一般的に40~50万円といわれているため、出産育児一時金はこのときの費用に活用することになります。ただ、既に示した通り分娩費用が非常に高額になることは多いです。
・出産手当金
また、産休のときは仕事を休むことになるため、このとき支給されるお金が出産手当金です。健康保険への加入者が対象になり、出産手当金では「給料(社会保険の標準報酬日額) × 2/3 × 産休の日数」が支給されます。
国民健康保険(国保)だと支給されず、正社員や年収130万円以上のパート・アルバイトなど社会保険に加入している人が出産手当金を受け取ることができます。
職場を退職する場合であっても、出産予定日よりも42日前以降に退職するのであれば出産手当金を全額受け取ることができます。
・育休について理解する
次に育児休業の制度について確認していきます。育休では、「子供の年齢が1歳になる前日」まで取得することができます。特定の条件を満たせば1歳6ヵ月まで延長可能ですが、基本的には子供が1歳になるまでです。
育休は男女関係なく、誰でも取ることができます。もちろん、正社員だけでなくパートや派遣であっても問題ありません。
ただ、全員が無条件で活用できる産休とは異なり、育休の取得には条件があります。それは、以下のようなものになります。
- 同一の会社(薬局や病院など)で1年以上働いている
- 1週間に3日以上、勤務している
- 育休後に同じ会社で働く意思がある
このように、1年以上の勤務をしていたり、育休後は同じ会社で働かなければいけなかったりと育休には制約があります。育児休業給付金が支給されるなど優れてはいますが、条件があることは理解しなければいけません。
このとき、基本的に育休後すぐに退職するのはダメです。もちろん、育休後にやめて罰金があるわけではありませんが、制度を悪用しているだけであり、復帰することを待ってあなたの穴埋めをしていた職場の人から大きな反発を受けます。そのため、少なくとも円満退社とはいきません。
・良い職場を早めに見つければ育児休業給付金を取れる
妊娠・出産を機に転職を考えている場合、育休を取得するのではなく、妊娠・出産の前にそのまま退職するのが基本です。
ただ、これでは育児休業給付金を取得することができず、その間は無収入になります。そのため、多くの薬剤師は結婚後(または結婚前)や子供が欲しいと考えたとき、早めに転職を完了させておきます。
残業の多い職場であると、当然ながら仕事を続けることはできません。そうして退職を考えるとき、「パートの中でも時短勤務を長く認めてくれる」「育休明けの復帰を長く待ってくれる」などの薬局へ早めに転職しておけば、問題なく出産手当金や育児休業給付金を活用でき、安心して職場復帰できます。
粉薬・散剤の調剤を避け、育児に理解のある求人を確認する
育休制度があったとしても実際に取得できるかどうかは話が別です。職場によっては、育休を取りづらい雰囲気の職場が存在します。
さらに、実際に子育てをするとなると退社時間が重要になります。残業が遅くなるようであれば、子どもの送り迎えができません。それだけでなく食事の準備など、家庭に悪影響を及ぼすようになります。こうした場合、時短勤務や残業なしの職場で働くなどの対処をしなければいけません。
例えば、以下は東京の薬局から出された時短勤務ありの調剤併設ドラッグストアの求人募集です。
ここにある通り10:00スタートであり、さらには1日6時間の時短勤務を小学3年生が終わるときまで認めてくれます。法律では3歳になるまで時短勤務を認めなければいけません。ただ、子供が3歳になった瞬間にすべての手が離れることはありません。
そうしたとき、子供が大きくなるまで時短勤務を認めてくれているこうした薬局であれば、育児に理解があると判断できます。
「子供の送り迎え」「食事の準備」などは女性薬剤師にとっても重要な項目です。
また、子供の発熱など、急な病気によって休みが必要になることもあり、こうしたことを認めてくれる薬局が適切です。そうした条件まで含めると、たとえ薬剤師であっても育児に理解のある薬局や病院を探すのは難しいです。
・早めの職場変更が適切。
こうした事情があるため、将来の妊娠・出産を見据え、育児を行いやすい職場へ先に転職することを考える人が多いです。先に転職をしておけば、育休の取得を含め恵まれた環境で妊娠・出産することができます。
妊娠が発覚した後や産後に良い職場を探そうと考えてもいいですが、それでは行動が非常に遅いです。
結婚後であったり、子どもが欲しいと考えたりしたとき、いまの職場が育児に理解があるかどうかについて、子供のいる同僚女性薬剤師の働いている様子を確認するといいです。その働き方を見て、自分も同じように働けると考えるのであればいまの職場に留まるべきです。
ただ、以下のようなケースで家庭・育児との両立が難しそうなのであれば、育児に理解のある求人を探すことを検討するといいです。
- 調剤薬局で多くの残業をしている
- 妊娠中であっても、病院で当直をする必要がある
- ドラッグストアで勤務しており、休みを取りづらい
- ヘルプの体制が弱い
こうした場合、職場の変更を検討したほうがいいです。
・小児科を含め、粉薬や散剤の調剤を避けるべき
さらにいうと、中には「小児科の門前なので粉薬・散剤の調剤が多く、粉が舞ったときに薬を吸うなど胎児への影響が心配」という人も多いです。
当然ですが、粉薬・散剤の調剤が胎児にまったく影響ないわけではありません。そのため、小児科の前にある薬局で勤めている人であると、「妊娠中は粉薬の影響を心配しながら働く」というストレスの大きい環境での勤務になります。
同じことは、錠剤の粉砕をするときも同じです。精神科メインの薬局に勤務していれば、劇薬や向精神薬の粉砕時に薬の成分を吸うことになります。こうした調剤は避けなければいけません。
そこで、早めに求人を探して環境の良い職場に転職し、半年以上は働くようにしましょう。そうした状態での妊娠発覚あれば、出産までに1年以上は働くことになるので育児休業の取得を含めて万全の態勢で出産することができます。薬剤師のキャリアにも空白を生じることがなく、職場から祝福された状態で産休に入れます。
妊娠中の転職・就職活動は困難だが、派遣なら可能
一方、妊娠が発覚した後に転職するとなると、その実現は非常に困難になります。転職サイトを通じて就職活動をしたとしても、妊娠中の女性を受け入れてくれる職場はほぼありません。正社員希望であれば「無事に出産して、落ち着いた後に申し込んでください」といわれます。これについては、パートでの応募も同様です。
ただ、派遣であれば「1日だけ働くスポット派遣」「1ヵ月だけの求人」の案件が存在するため、働くことは可能です。当然、このときは派遣先で非常に気を使われるようになるものの、薬剤師を欲している求人で勤務するのは問題ありません。
もちろん、ストレスが大きいと妊娠中では「つわりがひどい」「急に体調が悪くなる」「場合によっては切迫流産を起こす」などのような事態が起こる可能性があります。
そこで、患者さんへの投薬スペースにイスがあり、その場で電子薬歴を確認できる薬局の派遣求人を紹介してもらうようにしましょう。例えば、以下のような薬局です。
こうした薬局であれば、投薬スペースまで調剤された薬を運んでもらうことでスムーズに投薬できます。監査をした後、電子薬歴で過去の患者さんの状況を確認し、そのまま患者さんを窓口に呼んで服薬指導することができます。
そうすれば、立つことがなくイスに座ったまま仕事ができます。派遣薬剤師の仕事内容は服薬指導なので、特に妊婦なら座ったまま仕事が可能な薬局求人を選ぶ必要があります。
結婚後や妊娠・出産後に派遣薬剤師で働くことも可能
なぜ、多くの薬剤師が結婚を機に転職したり、妊娠・出産後に就職活動をしたりするかというと、ここまで述べてきた理由があります。職場へ妊娠を報告するのは喜ばしいですが、労働環境が大変だと出産までが地獄です。しかも、妊婦を受け入れてくれる転職先はありません。
そこで早めに働き方を見直さなければいけませんが、結婚後や妊娠・出産後の女性薬剤師が勤務する形態としては正社員やパートだけではありません。既に少しだけ紹介しましたが、派遣も視野にいれるようにしましょう。
派遣であれば、派遣会社(転職サイト)に登録することになります。正社員やパートでは求人先の薬局や病院と雇用契約を結びますが、派遣では派遣会社と契約するのです。もちろん、派遣薬剤師であっても産休・育休を取得することもできます。
こうして、結婚後は派遣薬剤師として働き、妊娠・出産を経て育休をしっかりと取得している人は非常にたくさんいます。
このときは契約期間ごとに多くの職場を経験できるため、スキルに偏りが出ることは少ないです。病院での派遣案件もあるため、経験という意味では多くのことを学べます。
時給は東京や大阪でも3000円以上が普通であり、派遣の案件によっては「週3~4日の勤務」など毎日働かなくてもいいことが多いです。契約時間も決まっているため、終業時間が来れば基本的に帰ることができます。例えば、9:00~18:00の契約であれば、患者さんが残っていても18:00ピッタリに帰れます。
さらに、時給が高いのできちんと働けば正社員のときよりも収入が多くなります。例えば、以下は神奈川県横浜市の調剤薬局での派遣募集です。
時給3,000円であり、週3日から相談できます。また、勤務時間についても検討できるため、自由に働けます。
また、派遣なので契約期間が満了した後は他の職場へ勤務することになります。産休後、育休後であっても「残業なし」「17:00までの勤務」などのように求人の内容を選べば、残業なしや時短勤務の状態で帰宅できます。派遣薬剤師であれば、そのときに合わせた自由度の高い働き方を実現できます。
・派遣薬剤師のデメリット
ただ、派遣薬剤師もデメリットがあります。事前の職場見学がないため、どのような職場なのか実態が分からないことがあります。特に妊娠希望であったり、現在妊娠中だったりする場合、立ち仕事を避けられる職場を選ばなければいけません。また、小児科や精神科を避けるのが基本です。
これについては転職エージェントを通じて、派遣先について事前に情報収集するようにしましょう。
さらに、契約更新制なので次回も契約してくれるかどうかわかりません。契約更新の時期に妊娠中であれば、更新してくれるかどうかの判断は派遣先の薬局や病院によります。前述の通り妊娠中は体調不良になりやすいなど、いろいろ問題があるので更新してくれないリスクがあるのです。
もちろん妊娠中のとき、体に負担がかかるからという理由で自分から更新をストップしても問題ありません。これについては、個人の考え方によって異なります。
妊娠・出産を見据え、結婚時から働き方を考えておく
ここまで、結婚や妊娠をキッカケとしてどのように働き方を検討すればいいのかについて確認してきました。
薬剤師である以上、適切な時期に転職のために動いたり、就職活動をしたりしなければいけません。いくら薬剤師が資格職で比較的転職しやすいとはいっても、本当の意味で育児に理解のある職場は少ないからです。
結婚後や、妊娠・出産したときなどに、いまの職場で働き続けることが可能なのかどうか早めに考える必要があります。たとえ就職2年目や3年目の薬剤師であっても、将来を見据えて早めに優れた求人を探すことを考える人が多いです。
ただ、このときは正社員だけでなく、パートや派遣まで視野に入れて考えるといいです。
薬剤師としてうまく働いている人は、実際に育児・子育てをする場面になって、ようやく自分の働くべき環境を考えることはしません。事前に自分自身と見つめあい、いまの職業が適切なのかどうかを考え、転職サイトなどを活用して妊娠・出産・育児のことまで含めて優れた求人を検討します。
そうして良い求人を探し、早めに子育てをしやすい職場で働くようにしましょう。自分の未来を見つめ、どの条件の求人を探し、働くのが良いのか深く考えるといいです。
薬剤師が転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。自分一人では、頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。
一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や薬局、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。
ただ、転職サイトによって「電話だけの対応を行う ⇔ 必ず薬剤師と面談を行い、面接同行も行う」「大手企業に強みがある ⇔ 地方の中小薬局とのつながりが強い」「スピード重視で多くの求人を紹介できる ⇔ 薬剤師へのヒアリングを重視して、最適な条件を個別に案内する」などの違いがあります。
これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。
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インタビュー記事:薬剤師の転職サイト
・ファーマキャリア
薬剤師求人の中でも、「どこにも載っていない難しい案件」を探すことに特化した、オーダーメイド求人の発掘を行っているファーマキャリアさまへ取材しました。