薬剤師が仕事をするとき、特殊な場所で働くようになることがあります。その中の一つに空港があります。空の玄関口として知られる空港でも、薬剤師としての仕事があるのです。

このとき、空港内で働く薬剤師としては主に薬局(調剤薬局やドラッグストア)と検疫という2つの仕事があります。

それぞれの仕事内容はまったく違いますし、求人の出され方も異なります。そのため、空港で働く薬剤師として活躍することを考える場合、どのような職場で勤務するようになるのかを理解し、求人への申込方法を学んでおく必要があります。

具体的にどのようにして空港の薬剤師として活躍するのかについて確認していきます。

空港で活躍する薬剤師の仕事や種類

空港の近くに位置する薬局ではなく、中には空港そのもので勤務することになる職場が存在します。空港では日本人に限らず、外国人もたくさん訪れます。そのため、普段とは異なる環境で仕事をすることになります。

そうした職場にあこがれる薬剤師もいますが、実際に空港で勤務するためには大きく以下の2つがあります。

  • 空港の調剤薬局やドラッグストアで働く
  • 検疫官として働く

このうち、どちらかを選択するようにしましょう。

羽田空港や成田空港、福岡空港にある調剤薬局

日本には全国に空港があります。その中でも、それなりに規模の大きい空港であれば、空港内に調剤薬局やドラッグストアが存在します。

こうしたそれなりに規模の大きな空港としては、例えば以下のようなものがあります。

  • 羽田空港
  • 成田空港
  • 中部国際空港
  • 関西国際空港(関空)
  • 伊丹空港
  • 福岡空港

空港とはいっても、どの空港にも調剤薬局やドラッグストアが存在するわけではありません。規模の大きな空港にこうした薬局があると考えるといいです。その中でも、以下の空港では処方せんを受け付けている調剤薬局が存在します。

  • 羽田空港
  • 成田空港
  • 福岡空港

例えば、以下は羽田空港に存在する調剤薬局です。

実際にこうした調剤薬局が空港内に存在します。羽田空港や成田空港、福岡空港を含め、ドラッグストアだけでなく調剤を取り扱っているのです。そのため、こうした空港では薬剤師の求人が出されます。空港内に診療所がある場合、同じように空港内に処方せんを受け付ける調剤薬局があるためです。

例えば、以下は羽田空港の中で調剤を行う薬剤師の求人募集です。

こうした空港の求人はわりと頻繁に出されています。そのため、薬剤師として空港勤務することを考えるとき、調剤薬局で働くのが一般的です。

関西国際空港(関空)、中部国際空港などドラッグストアの勤務も可能

また、関西国際空港(関空)や伊丹空港、中部国際空港など空港内に調剤薬局が存在しないケースもあります。しかし、そうした空港でもドラッグストアは必ず存在します。

シャンプー、歯ブラシなどの日用品やコンタクトレンズ、さらには世界対応の電源プラグを含めてあらゆる必需品を取り扱っているのが、空港にあるドラッグストアです。

また、当然ながらこうしたドラッグストアでは薬が必要になる人も訪れます。中には第一類医薬品を必要としている人もいるため、そうしたときに薬剤師が必要になります。

実際、こうした空港にあるドラッグストアからも薬剤師の中途採用募集が出されています。例えば、以下は中部国際空港にあるドラッグストアから出された求人になります。

関西国際空港や伊丹空港でも、こうしたドラッグストアの求人が出されます。そのため、日本にある主要な空港であればドラッグストアの求人があると考えるようにしましょう。

地方空港内でも薬剤師求人が存在する

もちろん、地方の空港であってもドラッグストアであれば薬剤師の募集が出されることがあります。このときは新千歳空港や那覇空港など、主要都市の空港以外でも薬剤師の求人が存在するのです。

例えば、以下は北海道・新千歳空港にあるOTCドラッグストアから出された薬剤師求人になります。

このように、新千歳空港の中にあるドラッグストアで勤務できます。地方空港だと規模が小さく、国内線と国際線の2つを利用する客がごちゃ混ぜになります。そうした、いろんな人を相手に薬を説明をすることになります。

このとき、ドラッグストアによっては規模の小さい空港でも薬剤師の募集をしていることがあります。例えば、以下は沖縄・石垣島の空港(石垣空港)のドラッグストア求人です。

当然ながら、羽田空港や成田空港、関西国際空港などに比べると石垣空港を利用する客数は圧倒的に少ないです。ただ、そうした地方の小規模空港であっても空港内にあるドラッグストアから中途採用の募集が出されると考えましょう。

空港の検疫官は公務員になる

薬剤師として空港で勤務することを考えた場合、最も現実的なのが空港内の調剤薬局やドラッグストアです。こうした薬局では、常に薬剤師の求人募集があるので転職できるようになっています。

一方で検疫官という働き方もあります。空港や港で検疫官が働くようになっており、特に国際空港(国際線の入国)では必ず検疫所があります。

海外から感染症の侵入を防ぐために、日本国内に入ってくる人の中で「発熱している人はいないか」をサーモグラフィーで確認したり、輸入食品の検査をしたりするのが主な仕事内容です。日本国内に入ってくる人や食品を監視する役割を担っているのです。

このときは薬局薬剤師のように人と会話する機会が多いわけではなく、外国人と会話して英語力を活かせるわけでもないことに注意が必要です。

なお検疫所は日本に100箇所以上あります。そのため、全国の空港や港で勤務するようになります。

ただ、薬剤師が検疫官として働くためには公務員にならなければいけません。厚生労働省の管轄になるため、調剤薬局やドラッグストアに比べると非常に給料が低い状態で勤務する必要があります。また、数年おきに転勤を命じられて全国を渡り歩くようになります。

さらには、医師や看護師だと専門職として募集があるものの、薬剤師だけを対象にした検疫官の募集はありません。一般職として、その他の職員と同じ扱いになります。

以下のように、医師や看護師では検疫官として専門職の募集があるものの、薬剤師だと専用の項目が存在しないのです。

給料が低く、数年おきに必ず全国転勤があり、さらには一般職での応募になるため、実際のところ薬剤師が検疫官の求人募集に応募し、働くようになることは稀です。勤務条件が他の薬剤師に比べて悪いからです。

こうしたことから、空港で働く薬剤師を考える場合は調剤薬局かドラッグストアで勤務することを考えるのが一般的です。

開局時間が長く、日曜でも開いている

なお、実際に空港の薬剤師として転職し、勤務するときは認識しなければいけないことがいくつもあります。その中でも大きなものが「開局時間が長く、日曜でも開いている」ことです。

例えば、以下は福岡空港の国内線内に存在する薬局から出された薬剤師求人です。

このように、勤務時間が非常に長くなっています。開局時間は6:00~21:00です。

会社の方針によって勤務時間は異なりますが、このうち開局中はずっと勤務することがあれば、時間を区切ってシフト制にすることもあります。例えば、以下は成田空港内にあるドラッグストアでの求人募集です。

このように、求人票にある通り「8:00~17:00」「12:00~21:00」とシフトを区切っています。勤務時間を変えることによって、1日のうちすべての時間帯で薬剤師がいるように調節するのです。長時間、1日ずっと勤務するのではなくこのようにシフトを切って働くという方法もあります。

空港の調剤薬局やドラッグストアで正社員勤務する場合、このように早朝出勤が必要になったり、夜遅くまで働かなければいけなかったりします。もちろん、薬局によって薬剤師が働く時間は異なるので一概にはいえませんが、一般的な薬局に比べると不規則な勤務形態になることがあるのです。

ちなみに、週の労働時間は40時間と法律で決まっているため、1日の勤務時間が長い場合は週4日勤務などを実現できるようになります。

英語を扱える少ない求人が空港薬剤師

なお、空港では当然ながら日本人に限らず外国人も非常にたくさん訪れます。そのため、英語力を活かしたいと考えている薬剤師であれば、空港内の薬局で働くことは大きな意味があります。

一般的に薬剤師は英語力を要求されません。どれだけ英語を話せたとしても、収入にプラスとなることはないですし、業務内で英語を活用することもありません。

ただ、空港の薬剤師については例外です。空港だと国際線でも国内線でも多くの外国人が訪れるようになります。このときは英語で話しかけられることは普通にあるため、英語力を活かして薬局勤務することができます。

空港で働く薬局へ転職することを考えるとき、このときは調剤経験以外に英語力も評価対象になります。そのため交渉によっては、英語を扱えるだけでより高い年収を引き出すことも可能になるのです。

パート・アルバイトでの勤務も可能

また、空港で薬剤師業務をすることを考えた場合、正社員に限りません。パート・アルバイトとして働くことも可能です。

実際、羽田空港や成田空港、関西国際空港(関空)、伊丹空港、中部国際空港、福岡空港といろんな調剤薬局やドラッグストアが正社員だけでなくパート求人も掲載しています。

例えば、以下は関西国際空港の中にあるOTCドラッグストアでのパート・アルバイトの募集です。

開局時間は6:30~21:35と非常に長く、さらには365日開いています。そのため、この中から好きな時間に働けば問題ありません。もちろん、時給2,000円以上は問題なく確保できます。

希少な空港求人へ申し込む方法

検疫官として転職するのは公務員なので現実的に難しいです。公募されるにしても薬剤師だと一般職になり、好きなタイミングで転職できるわけではありません。そのため、空港内の薬局へ働くのが基本です。

ただ、調剤薬局やドラッグストアの求人へ応募するとはいっても、空港の求人数はどうしても少なくなります。空港の数は限られているからです。特に羽田空港や成田空港など規模の大きい空港であれば募集があることを容易に想像できますが、地方空港ではどこで募集しているのか不明です。

そのため、空港で働く薬剤師を目指すのであれば転職サイトへ登録しましょう。

ただ、転職サイトごとに保有求人は異なります。例えば、以下は5万件以上の求人数を誇る転職サイトで「空港」と入力し、検索したときの結果です。

このように、17件と非常に少ないです。しかも、このときは同じ職場から「正社員の募集」「早朝勤務の募集」「パートの募集」などのような重複求人がいくつも出されています。そのため、実質的な求人数はより少なくなります。

また、転職エージェントによって空港勤務の保有求人が異なります。そのため、いくつもの転職サイトに登録しなければ最適な求人を探せません。地方空港の求人によっては「転職サイトに5社ほど登録して、ようやく求人を発見できた」という状況も普通です。

空港薬剤師の求人が少ないからこそ、3社以上の転職サイトに登録することで中途採用の募集を探すようにしましょう。

国内線や国際線の薬局へ転職する

空港の薬局であれば、一般的な調剤薬局で働く薬剤師とは異なる刺激を得られるようになります。そうした薬局では日本人だけでなく、外国人を含めてたくさん訪れるようになります。国際色豊かな様々な人を相手に接客することになるのです。

そうした刺激ある職場で働きたいと考える場合、空港の薬剤師は最適です。

検疫官だと外人を相手にすることはなく、さらには公務員で給料が低く全国転勤ありなので薬剤師で応募する人はほとんどいません。

一方で薬局の場合、外国人を含めいろんな人と接することができます。薬局であれば薬剤師として優遇され、求人もあるので現実的に薬剤師が空港で働くには薬局が最適です。

空港には調剤薬局やドラッグストアがあり、主要空港の国内線や国際線に限らず、地方空港であっても求人が存在します。勤務時間や働く曜日については調整しなければいけませんが、こうした空港の薬剤師で働くことも視野にいれてみるといいです。


薬剤師転職で失敗しないために必要な理想の求人・転職先の探し方とは!

薬剤師が転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。自分一人では、頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や薬局、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「電話だけの対応を行う ⇔ 必ず薬剤師と面談を行い、面接同行も行う」「大手企業に強みがある ⇔ 地方の中小薬局とのつながりが強い」「スピード重視で多くの求人を紹介できる ⇔ 薬剤師へのヒアリングを重視して、最適な条件を個別に案内する」などの違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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派遣薬剤師は給料が正社員よりも高く、時給3,000円以上も普通です。さらには3ヵ月や半年だけでなく、1日などスポット派遣も可能です。「自由に働きたい」「多くの職場を経験したい」「今月、もう少し稼ぎたい」などのときにお勧めです。

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