転職後にミスマッチが出てしまう薬剤師はたくさんいます。要は、転職することによって失敗してしまうのです。気持ち新たに転職したにも関わらず、職場の雰囲気や人間関係に悩んでしまうと大変です。

例えば、薬剤師転職によって起こるミスマッチとして「聞いていた条件と違う」「思っていたよりも職場が忙しい」「意外と通勤時間が長くてつらい」「実際のイメージと異なり、人間関係が難しい」などがあります。

ただし、これらのリスクを限りなくゼロにすることで入職後のトラブルを回避し、転職での失敗を防ぐ方法があります。その方法として「紹介予定派遣」があります。ここでは、薬剤師が紹介予定派遣の求人を活用し、転職を成功させるための方法について解説していきます。

薬剤師の紹介予定派遣とは何か

転職サイトに寄せられる要望の中で「人間関係が良い職場で働きたい」「勤務時間や休みを含め、安心して長く働ける職場がいい」という意見はとても多いです。薬剤師の転職理由としては、年収以外にも人間関係や労働環境が挙げられるため、働く職場の状況は重要なのです。

ただ、年収や福利厚生などの条件面は求人票で確認できるものの、中で働く薬剤師同士の人間関係や人柄、実際の忙しさなどは求人票には書かれていません。これについては、実際に働いてみなければわからないのです。

多くの人から期待されて、たくさんの仕事をこなしたい人がいれば、残業をできるだけ少なくしてプライベートを充実させたい人もいます。人によって職場の合う合わないが存在するのです。

そこで、「紹介予定派遣」という方法が登場します。

紹介予定派遣では、お試しとして1~6ヶ月の間を派遣社員として契約します。このとき、派遣としての契約が切れると同時に「あなたと求人先の会社(薬局や病院など)が同意したとき」に正社員としての採用となります。

実際の職場を経験した後に入社する紹介予定派遣

このような薬剤師の紹介予定派遣であると、数か月の間は実際に現場で働くようになります。そうすれば、給料だけでなく職場の人間関係や労働環境を含め、自分に合った職場かどうか分かった上での就業が可能になります。

求人先の企業にとっても、「できるだけ長く働いてもらえる良い人材を採用できる」ことにつながります。ようやく薬剤師を雇い入れたにも関わらず、早期退社されてしまうと採用した意味がありません。これを防げるため、薬局や病院側にもメリットがあります。

そのため、双方にとって紹介予定派遣はリスクがありません。

ほとんどの人は求人先の職場(就労現場)について、雰囲気や労働環境を完全に把握していない状態で転職します。これはある意味、仕方のないことです。ただ、良い職場に当たればいいですが、労働環境の悪い職場であると早期退職につながってしまい、あなたの経歴に傷がついてしまいます。

一方、紹介予定派遣であれば既に職場の雰囲気をほぼ把握した上での採用となります。一緒に働く人も仲良くなっており、派遣としての契約が切れて正社員になるとき、待遇や条件なども交渉しやすくなっているはずです。

このように紹介予定派遣によって転職でのミスマッチを極限まで減らす方法があります。

紹介予定派遣の求人を確認する

薬剤師にとって、派遣として働くのは一般的です。ただ、紹介予定派遣というとあまり聞きなれない言葉です。

それでは、紹介予定派遣としてはどのような求人が存在するのでしょうか。実際に出されている求人を確認すれば、紹介予定派遣の中身を把握できるようになります。

調剤薬局、ドラッグストアの紹介予定派遣

OTCメインのドラッグストアや一般企業で紹介予定派遣の求人が出ることはほぼありません。一方で調剤薬局や調剤併設ドラッグストアであれば、多くの紹介予定派遣の求人が存在します。

例えば、以下は東京にある調剤併設ドラッグストアの紹介予定派遣の求人です。

時給は2,500円からスタートであり、週休二日でシフト制で勤務する紹介予定派遣です。もちろん、調剤薬局の求人であれば東京や大阪に限らず、地方都市であってもたくさんの案件が存在します。

病院の紹介予定派遣

また、病院の紹介予定派遣も存在します。小規模病院の案件がありますし、200床を超える中規模以上の病院での紹介予定派遣もあります。もちろん調剤薬局や調剤併設ドラッグストアに比べると求人数は少なくなるものの、問題なく紹介予定派遣の案件が存在するのです。

例えば、以下の求人は東京都渋谷区にある150床ほどの慢性期病院から出されている案件です。

病院での紹介予定派遣ですが、調剤経験や病院経験がなかったとしても受け入れてくれます。紹介予定派遣のいいところは、「正社員として迎え入れることが前提」であるため、たとえ未経験者であっても問題なく働けることです。

また、今回の求人は終業時間が16:45であるため、プライベートを充実させたい人にとっても最適です。

今回は一般的な求人を掲載しましたが、「治験業務を行うクリニックでの紹介予定派遣」「時給3000円からスタートする調剤薬局の求人」なども存在します。あなたの希望に合わせた紹介予定派遣を見つけるようにしましょう。

紹介予定派遣で注意すべきデメリット

このようにメリットの多い紹介予定派遣ですが、当然ながらデメリットも存在します。どのような注意点が存在するのかを理解しながら、紹介予定派遣を活用しなければいけません。

紹介予定派遣の最大のデメリットとしては、「派遣としての契約が切れたとき、必ず正社員として採用されるとは限らない」ことがあげられます。

紹介予定派遣では、現場を経験してあなたがその職場を気に入らなければ正社員としての入社を断ることができます。そのため、一般的な派遣薬剤師と同じ形態で働くことになります。

ただ、あなたが入社を断ることができるのと同じように、相手企業も派遣の契約が切れた段階で「あなたを採用しない」という選択ができるのです。いくらあなたが派遣として働いている職場を気に入ったとしても、受け入れてくれるかどうかは求人先の企業次第なのです。

調剤薬局、病院、ドラッグストア、一般企業など会社によって事情が異なります。派遣の契約が切れたとき、あなたの正社員としての受け入れを求人先の企業が承諾してくれなければいけません。

そして、紹介予定派遣の期間が過ぎて正社員として入社できなければ、当然ながら同じ職場で働き続けることはできません。

年収減や有給休暇の問題を理解する

なお、紹介予定派遣の期間が終わって正社員になった場合、年収が下がってしまうことがあるのは理解しなければいけません。

派遣薬剤師は時給が高いことで知られています。そのため、派遣薬剤師としてフルタイムで働くよりも、薬局や病院に雇用されたときの方が全体の給料が下がってしまうのです。

例えば、時給2,500円で1日8時間働くときを考えてみます。この場合、月収は以下のようになります。

  • 時給2,500円 × 1日8時間 × 20日 = 40万円

1年働く場合、年収は480万円です。ただ、正社員として雇用されたとき、年収480万円よりも低い給料になることは頻繁に起こります。これについては、そういうものだと考えるようにしましょう。

派遣薬剤師として働くとき、時給が非常に高いので勤務先の調剤薬局の管理薬剤師よりも年収が高いことは頻繁に起こります。そのため、正社員として入社すると年収は下がってしまうのです。

時給(給料)が高いのは、紹介予定派遣で働く試用期間の間だけになります。紹介予定派遣の薬剤師では、試用期間の方が給料は高くなることが多いです。ただ、正社員であれば住宅手当や通勤手当を含め、その他の福利厚生を受けられるため、一概には比較できない側面もあります。

・有給休暇は正社員になって半年後

なお、有給休暇は一般的に働き始めて半年後に付与されるようになります。

紹介予定派遣の場合、派遣会社に雇用されることになります。その状態から正社員になる場合、ゼロからのスタートになります。つまり、派遣薬剤師として働き始めて正社員になった場合、有給休暇を使えるようになるのは「正社員になって半年後」となります。

有給休暇という意味では、紹介予定派遣は不利になります。ただ、実際のところ調剤薬局やドラッグストア、病院などで薬剤師は気軽に有給休暇を取得できない環境に身を置くため、これについてはあまり気にする必要はないかもしれません。

薬剤師が紹介予定派遣で転職するには

それでは、薬剤師が紹介予定派遣を活用して転職するためには、どのように活動すればいいのでしょうか。このときは「派遣薬剤師の求人を扱う転職サイト」に登録するようにしましょう。

まず、自力で派遣の求人を見つけてくるのは非常に難しいです。そこで転職サイト(転職エージェント)を活用しますが、転職サイトによって特色・性質が異なり、「派遣を取り扱っている転職サイト」と「取り扱っていない転職サイト」が存在します。

大手の転職サイトであると派遣を扱っていますが、中小規模の転職サイトでは派遣の取扱がないことがあります。そこで、派遣案件に強みをもつ転職サイトを活用するといいです。

このとき、当然ですが複数の転職サイトを活用するようにしましょう。派遣を扱っている転職サイトは少なく、その中でも紹介予定派遣となるとさらに求人数は限られてくるからです。

少ない求人の中からよい案件をピックアップしないといけないため、必然的に複数の転職サイトに登録し、多くの求人の中から案件を選ばなければいけません。

それでは、具体的にどのような派遣会社が適切なのでしょうか。これについては、前述の通り派遣に強い薬剤師専門の転職エージェントを活用するのが適切です。派遣に強いおすすめの転職サイトとしては、以下の転職エージェントがあります。

薬キャリ

薬剤師の転職サイトの中でも、最高クラスで多くの求人を保有している転職サイトとして薬キャリが知られています。

転職エージェントの中には、大手転職サイトであっても派遣の案件を取り扱っていないことも多いです。ただ、薬キャリの場合は多数の派遣求人を保有しています。当然、紹介予定派遣に関する求人もたくさんあります。

エムスリーで有名な会社であり、東京や大阪に限らず地方の求人も多数保有しています。また、実際に応募するときは「紹介予定派遣」にチェックすれば問題ありません。

紹介予定派遣を検討している場合、まずは薬キャリを利用するようにしましょう。たくさんの求人から紹介予定派遣の案件を選べるようになります。

ファルマスタッフ

また、転職サイトの中でも派遣薬剤師に対して大きな強みをもっている会社がファルマスタッフです。求人検索をするとき、ファルマスタッフでも同様に「紹介予定派遣」の項目を設けており、紹介予定派遣に関する多くの求人を保有しています。

日本調剤グループではありますが、特に日本調剤への入社をすすめられるわけではありません。全国にある薬局や病院の紹介予定派遣を紹介してもらうことができます。

もちろん正社員やパート・アルバイトの案件も取り扱っている転職サイトではありますが、ファルマスタッフのように「派遣に強みをもつ」と宣言している転職サイトは珍しいです。

派遣といえばファルマスタッフといえるほど、派遣薬剤師の案件に優れています。紹介予定派遣を考えている場合、並行してファルマスタッフにも登録しましょう。


薬剤師が転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。自分一人では、頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や薬局、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「電話だけの対応を行う ⇔ 必ず薬剤師と面談を行い、面接同行も行う」「大手企業に強みがある ⇔ 地方の中小薬局とのつながりが強い」「スピード重視で多くの求人を紹介できる ⇔ 薬剤師へのヒアリングを重視して、最適な条件を個別に案内する」などの違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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派遣薬剤師であれば、3ヵ月や半年だけでなく、1日などスポット派遣も可能です。「好きな日だけ働きたい」「多くの職場を経験したい」「今月、もう少し稼ぎたい」などのときにお勧めです。

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「全国どこでも面談を行う」「事前に企業へも訪問して様子を確認する」「転職後のフォローまで行う」など、アナログな部分にこだわり続け、ミスマッチ(転職での失敗)を極限まで低くしているファーネットキャリアさまへ取材しました。

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