薬剤師国家試験に合格した後、特別な理由がない限りはどの人も就職します。このときは調剤薬局やドラッグストア、病院、企業と幅広い業種が存在します。正社員として勤務することによって、晴れて薬剤師として活躍できるようになります。

ただ、中には正社員ではなく新卒薬剤師としてパートやアルバイトを考える人もいます。

  • 音楽活動やアイドル活動に専念したい
  • 大学院の博士課程へ進学し、学生を続ける
  • 医学部など、他の学部へ入り直したい
  • すぐに結婚し、家庭に入るのでパートがいい

このように人によって理由は異なりますが、いずれにしても免許取得後に正社員とは異なる働き方を選択するようになるのです。アイドル活動への専念など意外に思うかもしれませんが、これが現実なのです。

実は、新卒であっても正社員ではなく、パート・アルバイトとして働くことは可能です。そこで、どのようにして新卒での就職でパート・アルバイトの求人を見つければいいのかについて解説していきます。

新卒就職で未経験のパート薬剤師を雇ってもらえるのか

薬剤師になった後に初めて就職をするとき、必ずしも正社員である必要はありません。パートやアルバイトであっても問題ありません。

特別な理由がない限り、薬剤師がパート・アルバイトをするときは調剤薬局や調剤併設ドラッグストアになります。こうした薬局の場合、調剤未経験の人でも問題なく受け入れています。新卒未経験の状態からでも、パートやアルバイトとして薬局で働けるのです。

「新卒 = 正社員」と考えてはいけません。例えば、以下は東京の調剤薬局から出された中途採用のパート・アルバイト求人ですが、「新卒可」とあります。

ここから、たとえ新卒であったとしても問題なく採用してくれることが分かります。また、未経験の状態から新卒で雇ってくれる薬局は非常に多く、いろんな薬局が人材を欲しています。そのため、問題なくパートやアルバイトとして就職できるようになります。

年齢が若いほど転職市場では価値が高く、採用される

そもそも、年齢が若い状況であることをそこまで気に留める必要はありません。転職市場では、年齢が若いほど有利になるからです。

一般的に転職市場では、「35歳限界説」というものがあります。これは、35歳を境にして求人がなくなるという現実です。そして実際のところ、一般企業では35歳を超えた人をほぼ受け入れてくれません。

もちろん薬剤師の場合、調剤薬局やドラッグストアであれば40代や50代であっても受け入れてくれます。35歳という年齢に関係なく、年齢が高くても未経験でも採用されるのです。ただ、やはり病院や企業の求人になると難しくなります。

ただ、これが20代と年齢が若い段階の場合、大病院や企業を含めてあらゆる業種へ転職することができます。特に新卒になると、最も年齢が若い段階での就職になります。そのため、パートやアルバイトとして就職することを考えたとき、同じ未経験薬剤師の中でも最も採用に有利なのです。

例えば、以下の2人がいた場合は圧倒的に新卒薬剤師の方が採用されやすいです。

  • 新卒の未経験薬剤師でのアルバイト
  • 45歳まで企業に勤めていた調剤未経験薬剤師でのアルバイト

年齢が高いと何事にも覚えるのに時間がかかり、さらには機器類の作業が得意でなくなります。ただ、薬局では一包化や機器類の取り扱いを含め、意外と細かい作業が多いです。薬の名前も覚えなければいけません。そのため、年齢が若いほど重宝されるのです。

年齢が若いのは、それだけで武器になります。新卒の状態だからといって、特に気にする必要はありません。むしろ前述の通り、他の業界で活躍していた年齢の高い調剤未経験の薬剤師よりも、あなたの方が重宝されるのです。

会社や薬剤師会の勉強会は好きに参加できる

また、スキルアップという点については、パートやアルバイトであっても問題なく実現することができます。

大手チェーン薬局が開催する勉強会や、薬剤師会が主催するセミナーについては、パート・アルバイトであっても問題なく出席することができます。スキルアップについては、正社員に限らず誰でも可能なのです。

例えば薬局には、必ず以下のような勉強会の案内がどこであっても存在します。

この紙については薬剤師会が関わる勉強会の案内ですが、誰でも参加できます。そこに行けば、意識の高い薬剤師の人がたくさん集まっています。そうした人たちに触れることによって、パート・アルバイトではあっても新卒として知識を深められるようになります。

もちろん、単に薬剤師の免許をもっているだけでなく、さらなる資格を取得することもできます。例えば、所定の単位を取得することで以下のような認定薬剤師になることも可能です。客観的にもスキルがあることを証明できれば、その後の転職にも有利になります。

薬剤師としてどれだけ知識やスキルを保有しているのかについては、正社員やパート・アルバイトなどの勤務形態は関係ありません。実際に新卒として医療機関で働き始めた後、どのように学んだのかが重要になります。

バイト経験の後は経験者となり、急性期病院でも就職可能

なお、2~3年ほど新卒でパートやアルバイトを経験した後、正式に正社員として勤務したいと考える人は多いです。そうしたとき、既に薬局での調剤経験があるのであれば、薬の知識や服薬指導のスキルを積んでいることになるため、経験者として転職することになります。

まったくの調剤未経験者ではない以上、一般的な調剤未経験のように低い給料からスタートするのではなく、ある程度は年収交渉ができるようになります。

しかも、20代のうちであればどのような職場であっても中途採用で転職可能です。既に述べた通り、転職市場では年齢が若いほど価値が高いため、あらゆる業種へ採用されるようになるのです。MRと研究職は無理ですが、それ以外の職業であれば何でも転職可能です。

大病院であっても、企業薬剤師であっても、新卒のときと同じようにあらゆる選択肢が存在すると考えてください。例えば、以下は大阪にある218床の総合病院での薬剤師求人です。

この総合病院の場合、「新卒可」「未経験可」となっているので、それまでパート・アルバイトで調剤経験がある場合はより転職に有利です。

ただ、注意点として「調剤薬局やドラッグストアへの転職については経験者として年収交渉ができる」ものの、大病院や企業の薬剤師だと「未経験のゼロの状態からスタートになる」ことがあります。これについては、納得するようにしましょう。

・病院薬剤師のパート・アルバイト求人も存在する

なお、意外と知られていませんが新卒のパート・アルバイトとして病院薬剤師を経験することもできます。もちろん、急性期の総合病院でパートやアルバイトの求人が出されることは稀です。そうではなく、慢性期病院や専門病院(精神科、リハビリ・整形など)でのパート求人です。

しかし、薬局と同じように時給2,000円でこうした病院への就職が可能です。例えば、以下は大阪にある回復期・リハビリテーション病院でのパート・アルバイト求人です。

「新卒可」であり、時給2,000円からと薬局と同じ給料を実現しながら病院業務を経験することができます。

いまはパートやアルバイトとして就職することを考えているものの、将来は大病院へ転職することを検討している場合、こうした求人へ応募するといいです。もちろん病院薬剤師になるので、注射剤の混注を含めてスキルを学ぶことができます。

当然、パートやアルバイトだと大病院で常勤・非常勤としてフルタイムで働くわけではありません。そのため病棟業務は限られますし、がんなどの高度な薬は取り扱いません。ただ、最低限のスキルを取得できるというメリットがあります。

新卒でパートやアルバイトをするメリット

それでは、実際に新卒で正社員になるのではなく、パート・アルバイトをすることはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

一番のメリットとしては、好きなように勤務時間を選べることがあげられます。正社員ではなくアルバイトという道を選んでいる人の多くは「フルタイムで働くのではなく自由な時間を作ることで、挑戦したいことに集中したい」と考えています。

そうしたとき、正社員であれば週5日のフルタイムで働くしか選択肢がないものの、パート・アルバイトであれば勤務時間や曜日を好きなように調節できます。

例えば、以下は東京の調剤薬局から出された求人になります。

調剤未経験でも応募できる求人であり、午前のみ・午後のみのどちらでも働ける求人となっています。こうした薬局の場合、「この日は午前だけ働き、他の日はフルタイムでバイトする」などのような働き方が可能になります。

特に時間に縛られることなく、自由に時間を使えるのが新卒で正社員を選択しない最大のメリットになります。

・夜間バイトも問題ない

また、効率よく稼ぐことを考えているのであれば、夜間の薬局バイトをするという方法もあります。深夜バイトだと、必然的に時給が高くなるからです。

例えば、以下は京都の薬局から出された夜20:00~24:00の求人になります。

働く日数は相談しなければいけませんが、このように時給3,000円です。夜に働く場合、どの薬局でも時給はかなり高くなるのです。仮に上記の薬局で夜間バイトを行い、「週3日だけ4時間働く」となると月の収入は以下のようになります。

  • 時給3,000円 × 1日4時間 × 月12日(週3日) = 14万4,000円

短い時間だけ働くにしても、新卒でありながらパート・アルバイトでこれだけの給料を得ることができます。キャバクラでバイトをしても時給2,000円ですが、これよりも高い収入となるのです。

また、より効率的な夜間バイトをすることを考えるのであれば、24時間営業のドラッグストアを検討しても問題ありません。こうした薬局は現実に存在します。

例えば、以下は神奈川県横浜市の薬局から出された夜勤バイトです。週1日だけでも問題なく、1日で32,000円以上の収入になります。

4日働くだけでも12万8,000円となるため、あなたが本来やりたいことに専念するときは非常に効果的です。正社員では無理ですが、パート・アルバイトであればこうした薬局で勤務することが可能なのです。

もちろん、2つの薬局を掛け持ちしても問題ありません。「週1回は夜間バイトを行い、週1日は午後だけアルバイトに入る」なども可能です。あらゆる働き方を実現できるのが新卒でのパート・アルバイトです。

年収・給料はどうしても少なくなる

ただ、当然ながら正社員に比べると給料はどうしても低くなります。パートやアルバイトでも問題なく高い時給となりますが、それでも正社員のように定期的な給料を支給されるわけではありませんし、ボーナスが振り込まれることもありません。

例えば、東京や大阪で調剤薬局へ正社員として就職するとなると、一般的には年収450万円などからスタートすることになります。地方の田舎だと、さらに年収は高くなります。ただ、パートやアルバイトでこれと同じ年収を実現するのは不可能に近いです。

また、就職時は給料だけに着目してはいけません。福利厚生も重要です。実質的な手取りを重視しなければいけません。そうしたとき、正社員であれば家賃補助や通勤手当が出されるようになります。

しかし、パート・アルバイトで住宅手当が出されることはほとんどありません。通勤手当は出されるかもしれませんが、職場の方針によります。いずれにしても、福利厚生が手薄になるので必然的に実質的な手取りは少なくなります。

パート・アルバイトでの勤務をする場合、こうした収入面でのデメリットが最も大きいです。

・一部の福利厚生は問題なく受け取れる

ただ、パート・アルバイトであっても多くの薬局では一部の福利厚生を実施してくれます。例えば、私が勤務していた薬局ではパート薬剤師に対しても「薬代が無料になる」という福利厚生がありました。隣のクリニックの受診料は支払わなければいけませんが、その処方せんをもとに調剤したときの調剤料や薬代は無料だったのです。

もちろん自分が調剤することになりますが、薬局での負担がゼロになっていたのです。

また、私がいた薬局ではパート・アルバイトも含めて社員旅行に参加可能でした。すべての福利厚生がなくなるわけではないのです。

薬学生や国試後に転職サイトを利用して求人を探すべき

このように、たとえ新卒の状態であっても、正社員でなくパート・アルバイトとして調剤薬局やドラッグストア、病院で勤務できることを理解できたと思います。それでは、こうした求人をどのようにして発見すればいいのでしょうか。

当然ながら、周囲にいる他の薬学生と同じように就職活動をしても意味はありません。就職活動では、正社員としての採用が前提となるからです。そのため、「就職活動はしない」という選択肢が正しいです。

そうではなく、薬剤師の転職サイト(転職エージェント)を活用するようにしましょう。知っている人は少ないですが、転職サイトでは資格取得見込みの薬学生についても登録対象として広く募集しています。例えば、以下は転職サイト大手で知られるマイナビ薬剤師の登録画面ですが、このように「薬剤師取得見込み(薬学生など)」となっています。

このように、免許の取得前であっても問題なく転職サイトを利用できるようになっています。

ただ、当然ながら薬学生の5年生など資格取得まで年数がある段階で登録しても意味がありません。「既に国試が終わっており、自己採点で免許を取れることがほぼ分かっている」などの状態であれば、たとえ薬学生であっても問題なく転職サイトを利用できます。

つまり、新卒でパート・アルバイトを検討している場合、「就職活動はまったくせず、資格取得が分かった段階で転職サイトへ登録し、適切なバイト先を紹介してもらう」のが正しい手順です。

・自分の希望条件を明確にする

なお、薬剤師としてパート・アルバイトで就職するにしても、一般的な薬局に限らずあらゆる勤務形態があります。ここで紹介しただけでも、例えば以下のようなものがありました。

  • 午前のみ、午後のみで働ける調剤薬局
  • 夜勤バイトのドラッグストアでの高額求人
  • 病院でのバイト求人

友人・知人からの紹介でアルバイト先を決めてもいいですが、こうした特殊な案件は残念ながら存在しません。特殊な求人案件は転職サイトに存在します。そのため、新卒の状態からいろんな働き方を実現するためには、転職エージェントを活用するのが一般的です。

また、多くの薬剤師は一社だけの転職サイトを利用することはありません。必ず3社以上を活用します。これは、転職エージェントによってパート・アルバイトの保有求人案件がまったく異なるからです。

また、場合によっては転職サイトの担当者と相性が合わないことがあります。こうしたことを避けるためにも、複数の転職サイトを利用するのが一般的です。これらを認識したうえで、新卒でパートやアルバイトの就職先を探すようにしましょう。

パートやアルバイトだと、内定をもらうのに2週間もかからない

ちなみに、正社員ではないのでパートやアルバイトとして薬局を探す場合、以下のような過程を経ることになります。

  1. 希望する条件のヒアリング
  2. 求人の提示
  3. 面接(職場見学も行う)
  4. 内容・採用

転職サイトを活用すれば、これらの過程を2週間ほどで進めることも可能です。そのため、資格取得見込みの薬学生が転職サイトへ申し込んだとしても、4月には薬局でアルバイトをすることができるのです。

ちなみに、薬剤師国家試験に合格したとしても実際に免許が発行されるのは早くて4月です。例えば、以下は私の薬剤師免許ですが、4月27日に発行されていることが分かります。

時給2,000円以上を実現できるのは、こうした免許証が発行された後になります。そのため、国試後や卒業後に落ち着いてパート先やアルバイト先を探せば問題ありません。

新卒でパート・アルバイトとして採用をもらう

たとえ薬剤師であっても、事情によって正社員ではなくパートやアルバイトとして働くことを選択する人がいます。ただ、これまで居酒屋やコンビニなど一般的なアルバイトを経験したことはあっても、新卒で薬剤師のパート・アルバイトをすることに対して不安に思う人は多いです。

しかし、たとえ新卒であっても問題なくパートやアルバイトとして雇ってくれます。必ずしも正社員である必要はないのです。

ただ、このときは適切な手順があります。まず、就職活動は一切無視して問題ありません。他の人が慌てて就職活動をしているなか、あなたは薬剤師国家試験の勉強に集中すればいいのです。

その後、自己採点によってほぼ受かることが分かったら薬学生の段階でも問題ないので3社以上の転職サイトへ登録するようにしましょう。そうすれば、新卒でも受け入れてくれる求人をたくさん提示してもらえるため、最適な求人募集案件を選ぶことができます。

単にパートやアルバイトの求人とはいっても、フルタイムや午前のみ、夜間など多くの働き方があります。この中から、あなたにとって最適な求人を選ぶようにしましょう。同時に、パートやアルバイトであっても勉強できる環境を整えている薬局だと最適です。

「新卒でアルバイトは可能なの?」と思う人は多いですが、意外とそうした人は他にも大勢いるので心配する必要はありません。転職サイトを利用しながら適切な求人を選んで内定をもらい、就職するようにしましょう。


薬剤師が転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。自分一人では、頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や薬局、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「電話だけの対応を行う ⇔ 必ず薬剤師と面談を行い、面接同行も行う」「大手企業に強みがある ⇔ 地方の中小薬局とのつながりが強い」「スピード重視で多くの求人を紹介できる ⇔ 薬剤師へのヒアリングを重視して、最適な条件を個別に案内する」などの違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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