薬剤師で短時間勤務を考える人は非常に多いです。特に育児中のママ薬剤師であると、時短勤務で活躍したいと考える人が多いです。育休明けの復帰を含め、短時間だけ働ける環境は必須なのです。

そうしたとき、短時間正社員として働くことはできるのでしょうか。または、最初からパートや派遣として勤務する方がいいのでしょうか。

多くの人にとって勤務時間は重要です。突然の残業が発生したために保育園に無理を言い、長く預かってもらうようにお願いするのは大変です。これが毎日のように続くとなると、薬剤師など続けられません。

また、中には親の介護などの理由で時短勤務を希望する人もいます。理由は人によってさまざまなのです。

そこで、子育て中のママ薬剤師や介護中の人など、「どのように考えれば、短時間だけ働くことのできる求人募集を見つけられるのか」について解説していきます。

正社員の短時間勤務は一般的に6時間

まず時短で働くときは、どれくらいの勤務時間になるのでしょうか。これについては、一般的に6時間勤務だとされています。

フルタイムで働く場合は8時間です。例えば、9:00に出勤して休憩1時間があるとすると、18:00に帰宅することになります。「勤務8時間 + 休憩1時間」で合計9時間は職場にいます。ここに残業が加わると、さらに仕事を続けることになります。

一方で時短勤務だと6時間の勤務になりますが、これは改正育児・介護休業法によって定められています。具体的には、子供が3歳になるまでは必ず短時間勤務させなければいけないと義務化されています。そのため、ママ薬剤師にとって子供が3歳になるまでは必ず時短勤務ができなければいけません。

ただ、一人薬剤師などであったり、職場が時短勤務できる雰囲気でなかったりする場合、現実的に自分だけ先に帰るのは難しくなります。しかし、そういう職場は明らかな法律違反をしていることになります。

育休明けであったり、1か月などフルタイムで短期間だけ働いてみて続けるのが無理そうだったりする場合、時短勤務をいまの職場と掛け合うのが一般的です。ただ、このときに受け入れてもらうことができなかった場合、転職を検討するといいです。

3歳までの時短勤務求人では不十分

しかし、このとき求人募集を選ぶときに注意点があります。それは、「本当に3歳までの時短勤務で問題ないのか」ということです。

確かに、子供が3歳になるまでは法律で短時間労働が認められているため、一人薬剤師の薬局や法令無視している職場以外なら、問題なく時短勤務できるようになります。

ただ、子供が3歳になった瞬間に「子供がすべて自分自身のことをできるようになり、保育園に自分で通ったり食事の準備ができたりする」のであれば問題ありません。しかし、現実にはそのようなことはあり得ません。たとえ3歳までの短時間勤務が認められていたとしても、子供が3歳になった後に大変な思いをすることになるのです。

私も子供がいて、以下は生後4ヵ月のときの様子です。

現在はこれよりも成長して子供は大きくなっていますが、当然ながら3歳以降もそれなりに手がかかりました。そのように考えると、ママ薬剤師にとって3歳以上で時短勤務が打ち切られるのは死活問題なのです。

こうした事実を理解したうえで、いまの職場は子供が何歳になるまで時短勤務が可能なのかを確認するようにしましょう。また、転職を検討する場合であっても、その転職希望の職場は短時間労働がいつまでできるのか事前にヒアリングしておく必要があります。

調剤薬局・ドラッグストアの時短勤務

そこで、どのような職場への就職が適切なのか見極めなければいけません。

薬剤師が働くとき、多くは調剤薬局やドラッグストア、病院になります。当然、薬局や病院ごとに子育てに対する理解の度合いがまったく異なります。「過去に勤務していた薬局だと時短勤務などについてまったく考慮してもらえなかったものの、他の薬局へ転職したとき問題なく短時間勤務を受け入れてもらえた」という事例は非常に多いのです。

時短勤務が可能かどうかについては、すべては経営者次第になります。社長の方針次第であるため、薬局や病院ごとに対応はバラバラだといえます。

それでは、子育てのしやすい薬局としてはどのような求人があるのでしょうか。例えば、以下は東京都新宿区から出されている調剤薬局の求人募集です。

調剤併設ドラッグストアの求人ですが、時短勤務について全面に押し出しています。また、薬局は10:00スタートのため、保育園に子供を預けた後にゆっくり出社できます。また、1日6時間の時短勤務を小学校3年生が終わる時期まで続けることができます。

実際のところ、子供が大きくなった後に次の子供が生まれるようになることは多いです。このとき、3歳までしか短時間の労働が認められない場合、「一時期だけ時短勤務になり、3歳になった瞬間にフルタイムに戻り、新たな子供ができたら時短勤務に戻る」などのように不規則になります。

一方で小学校の高学年になるまで時短が可能な場合、そのようなことはありません。もちろん、早めに短時間での労働を取りやめてフルタイムに戻ることも可能なのです。

調剤薬局や調剤併設ドラッグストアであると、こうした時短勤務可能な求人がたくさんあります。大手チェーンや中小薬局を含め、育児に理解のある職場であれば短時間だけ働くのは問題ありません。

・OTCドラッグストアも時短が可能

なお、ドラッグストアの場合はOTCメインの場合であっても時短可能な求人が出されることがあります。例えば、以下のような求人募集です。

大阪で出されている求人ですが、OTCを取り扱える大手ドラッグストアになります。調剤薬局も展開している大手チェーンなので、場合によっては調剤併設ドラッグストアなどへ転勤になることはありますが、OTCの求人も短時間勤務できるのです。

ただ、当然ながら調剤薬局や調剤併設ドラッグストアに比べると、OTCの時短求人はかなり少なくなります。

パート・アルバイトや派遣として短時間の勤務を考える

また、短時間だけ働くことを考えるとき、パートや派遣での薬剤師を選択するのも一般的です。実際のところ、薬局で働いている人の半分以上がパートであることは珍しくありません。そのため、正社員に縛られずにパートや派遣も含めて検討するようにしましょう。

パート薬剤師の場合であっても、通常だとフルタイムでの勤務が基本になります。そこで、正社員として時短勤務の求人を見つけるときと同じように、育児に対して理解のある職場を探すのが適切です。

例えば、以下は神奈川県横浜市の時短勤務可能な求人です。

調剤併設ドラッグストアでのパート・アルバイトの募集ですが、薬局が開いている時間は10:30~21:00となっており、シフト制で回すようになっています。要は普通出勤の人と遅番の人がいるわけですが、時短勤務しても遅番の人にバトンタッチすれば問題ないため、このようになっているのです。

パートでの募集とはいっても、調剤薬局によっては短時間で働くことを認めてくれないケースがあります。そうした薬局を避け、時短が可能な求人を探すようにしましょう。

同じことは派遣でもいえます。派遣の場合は契約によってあらかじめ勤務時間が決められていますが、このときは短時間だけ勤務できる求人を探すようにしましょう。

「午前から午後15:00までが忙しいため、ここだけ派遣をお願いしたい」など、薬局ごとに状況は異なりますが、派遣であれば柔軟に契約時間を設定することができます。派遣は時給が非常に高く、同じ労働時間でもパート薬剤師よりも稼げる可能性が高いです。そのため、派遣薬剤師もおすすめです。

注意点として、派遣の場合は勤務時間帯を必ず確認するようにしましょう。「短時間での勤務!」となっていたとしても、遅番の求人であることが頻繁にあるからです。例えば、以下のような求人です。

東京で出された高時給の案件ですが、労働時間が15:00~20:00となっています。

確かに短時間の勤務ではありますが、この時間帯で働くとなると、例えば子供の保育園の迎えができません。そのため、申し込んではいけない求人になります。派遣薬剤師を検討するとき、勤務時間帯がどのようになっているのか確認するようにしましょう。

病院で時短は期待できない

なお、中には病院で働くことを考える人もいます。病院勤務については、短時間だけ働くことは可能なのでしょうか。

実は、調剤薬局と同じような条件で時短勤務が可能な案件は、病院ではほとんど存在しません。薬局なら薬剤師がいなければビジネスが回らないため、福利厚生を整える必要があります。ただ、病院だとそこまで考慮する必要がないのです。

そのため、実際に転職サイトに登録して「病院の時短勤務」を検索したとしても、ほとんど求人が存在しないことに気が付きます。

もちろんゼロではありません。病院であっても短時間の勤務は可能です。ただ、これについては「通常の就業時間を短くしてもらうのではなく、元々の労働時間が短い職場」の病院求人になります。例えば、以下のような募集です。

大阪にある透析クリニックの求人ですが、勤務時間は8:30~15:30などのように短くなっています。週4日の6時間勤務なので、元々が短時間求人になっているのです。

もちろん、こうした求人は非常に珍しくなかなか出回りません。そのため、実際のところ病院での時短勤務は非常に難しくなります。ママ薬剤師が時短での子育てを考えている場合、病院ではなく薬局へ転職するのが無難です。

短時間正社員だと年収(給料)はどうなるのか

なお、時短正社員やパート・アルバイト、派遣を含めて気になるものとして年収があります。実際のところ、給料はどれだけ下がるようになるのでしょうか。

年収の計算については、単純に実労働時間で決まります。フルタイムだと8時間勤務であるため、2時間減って6時間労働になると、1日の勤務時間は75%に減ります。つまり、25%(4分の1)だけ給料がカットされます。

例えば、調剤薬局での年収が500万円だった場合、年収は375万円になります。月に換算すると、月給35万円だった場合、短時間勤務では月の給料が約26万円になります。

このように考えると、1日2時間の労働時間が減るだけでかなり年収が下がるようになることが分かります。

しかし、短時間勤務だとさらに給料が下がる要因が存在します。一般的な正社員やパートであると、どうしても残業が発生します。薬歴管理や片付け作業を行っていると、1時間以上は残業してしまうのです。

残業代の支給(または残業手当)がある職場の場合、時短勤務によってそれらがゼロになります。短時間勤務なので残業代は存在しないため、それまでフルタイムでしっかり働いていた人にとってみると給料が大幅に減ったように感じてしまいます。

正社員やパート・アルバイト、派遣に限らず、時短勤務にすることでかなりの年収減になります。パート・アルバイトでは時給については変わらないものの、勤務時間が減った分だけマイナスになるのです。薬剤師にとって、1日2時間の労働時間の差はかなり大きいと考えるようにしましょう。

ブランクありでも受け入れ可能な職場だと最適

このように年収が下がることについて理解したうえで転職するのが最適です。子供の成長を見ながら、フルタイムで復帰できそうだと判断したら時短勤務をやめ、給料を上げるようにするといいです。

ただ、このときは育休明けの復帰(ブランクあり)であったり、調剤未経験での復職であったりする人も多いです。そうしたママ薬剤師の場合、育児に理解のある職場であることは絶対条件として、さらにブランクあり・調剤未経験であっても受け入れてくれる職場の求人を探すといいです。

例えば、以下は神奈川県横浜市の調剤薬局から出された募集です。

調剤併設ドラッグストアの求人ですが、産休や時短勤務の取得実績が多いとあります。それに加えて、「調剤未経験者やブランクをお持ちの方も安心」とあり、調剤スキルに不安のある人でも安心して勤務できる短時間求人であることが分かります。

調剤や服薬指導の技術に不安がない人であれば関係ないですが、「子供が何歳になるまで時短勤務が可能なのか」に加えて、自分自身の働きやすさまで考慮して転職先を考えるようにしましょう。

時短勤務は考えるべきことが多い

短時間での薬剤師勤務の実現を考えるとき、一番は「いま働いている職場に相談すること」です。ただ、職場によってはそれを受け入れてくれないことがあります。特に病院の場合、たとえ時短勤務が可能であったとしても、時短は3歳までなど非常に条件が厳しくなります。

これでは子育てなどできません。また、育休明けの復帰であったとしてもすぐに働き辛くなります。

そうしたとき、転職を考えるようにしましょう。主に調剤薬局や調剤併設ドラッグストアがメインにはなりますが、薬局によっては育児に理解のある職場が存在します。こうした職場を見つけ、転職するようにしましょう。

「子供が何歳になるまで時短勤務できるのか」「職場と家の距離」「保育園と職場の距離」「年収(または時給)」「ブランクありや調剤未経験でも可能か」など、いくつもの条件を比較したうえで転職先を決定するといいです。

これらを検討したうえで複数の転職サイトに登録し、多くの選択肢の中から薬局の求人募集を確認すれば、最適な転職先が見つかるようになります。


薬剤師が転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。自分一人では、頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や薬局、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって「電話だけの対応を行う ⇔ 必ず薬剤師と面談を行い、面接同行も行う」「大手企業に強みがある ⇔ 地方の中小薬局とのつながりが強い」「スピード重視で多くの求人を紹介できる ⇔ 薬剤師へのヒアリングを重視して、最適な条件を個別に案内する」などの違いがあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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